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 雪の積もる山方面で野鳥を探し歩いているとき、ヤマハギにカワラヒワが採餌に来た。
カワラヒワは、コミミズクやハイイロチュウヒなどを待っているときに良く目にするし、散歩コースの都市公園でも冬場はアキニレの木に良くいる。
この時も「なんだカワラヒワか・・・ヤマハギも食べるんだな・・・。」と確認した程度だったが、少し大きいかなくらいのザワッとした感覚があった。 
 カワラヒワ(河原鶸 Oriental Greenfinch)

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 カワラヒワは留鳥または漂鳥。
雪国や北海道などの個体は、冬に暖地に移動したりする。
そのほかに、冬鳥として渡来する群もいる。
 鳥類の分類では「目」「科」「属」その下に「種」があり、一つの「種」の下に地理的あるいは生態的に隔離されたために形態に差が生じている場合に「亜種」というのがもうけられている。
たとえば僕の好きなコマドリは、スズメ目ヒタキ科コマドリ属の種名コマドリとなるが、その下に亜種タネコマドリがいて三宅島に生息している。
 何日かたって、ザワッとした感覚の正体が「オオカワラヒワ」の存在だと気付かされた。
カワラヒワには「オオカワラヒワ」「カワラヒワ 」「オガサワラカワラヒワ」の3亜種があり、オガサワラカワラヒワは小笠原のみの固有種でカワラヒワは房総では普通に見られる種。
オオカワラヒワはカワラヒワよりひとまわり大きく、頭部の灰色味が強く三列風切外弁の白が幅広いのが特徴で、冬鳥として飛来する。
さて、そこが問題で温かい房総では留鳥としてのカワラヒワや、山地や寒冷地から冬場に移動してきた(=漂鳥)カワラヒワに、冬鳥として渡って来たオオカワラヒワが混在することになる。
 カワラヒワ(河原鶸 Oriental Greenfinch)

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 そこが問題!
昔はコカワラヒワ・オオカワラヒワなどの言い方もしたようだが、僕には正直区別がつかない。
一番の手がかりは、三列風切(翼を開いたとき一番胸に近い部分の風切羽)の白が太いということだが・・・・。
風切羽の摩耗や翼のたたみ方や個体差などでも微妙に違いが出るだろうし、そもそも基準になるカワラヒワの白の太さがはっきりしない。
太いといっても、冬場はカワラヒワも空気の層を羽毛にためているだろうから写真では写り方が違うし、これも客観的判断材料にはよわい。
両種を捕まえて計測しDNAを調べれば、答えは出るだろうが・・・、写真だけで判断するのは素人には無理だ。
はっきりと区別できる亜種もあるが、カワラヒワとオオカワラヒワの判定は難しすぎる。
そんなわけで、オオカワラヒワかもしれないけれど、ここでは亜種の判断をしないでいわゆるカワラヒワということにしておく。
 ダイヤモンド富士の待ち時間に、散歩コースの冬場にやって来たカワラヒワを判別点を意識して撮ってみた。
夏に気が向いたら、留鳥のカワラヒワを撮って比べて見ようと思う。
 カワラヒワ(河原鶸 Oriental Greenfinch)

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# by photo-etudes-eiji | 2022-02-26 18:00 | 野鳥

 朝目覚めれば、今日も富士山はクッキリと見えている。
気温も低く、風の強い一日だという・・・。
今日のポイントは隣の千葉市で、この間悩まされてきた東京都心部上空にかかる雲を避けられる可能性の高いところ。
それならば行くしかないか!
 先日会ったかつての職場の同僚がくれた、「イワナ棲む山里 奥只見物語」を読んでゆったりとその時を待った。
日が延びて、17時でも大陽はこの位置だ。
 マニュアルでピントを確認し望遠と引いた画像の構図を決め待っていると、貨物船が品川・大井方面を隠し羽田のビル群が左に。

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 17:16:47、大陽が剣が峰の左に接した。

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 ここからは早い。
17:18:16、90秒ほどで大陽がスッポリと山頂に重なった。

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 引いた画像を撮って、次の狙いのグリーンフラッシュを待つ。
大陽が昇った直後や沈む直前に大陽の弧の部分が緑色に輝く、「緑閃光」現象がまれに見られるという。

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 残念ながらそう都合良くいくものでもなく、代わりに稜線から山頂の雪煙が燃え走ってくれた。
富士山頂に接してから完全に隠れるまで150秒ほどだった。

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 さぁ、ここからはマジックアワー。
ここならば、この一枚この二枚。
もう三十年前にも撮っている構図だが、了解を得て撮ったり「この携帯で撮ってください!」と頼まれたり・・・。
ダイヤモンドが終わって、大半の人が家路に・・・。

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 ほんとうは、ここからまだイイ色が出るのに!。
スカイツリーの最上部、アンテナ設備のゲイン塔の光がついた。
代々木ドコモタワーや東京タワー・葛西臨海公園の観覧車や東京ゲートブリッジも光が灯りライトアップされる。
夕焼けが最後の彩りを見せる。

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人工砂浜の突堤向こうに東京湾内湾が広がり、富士山がシルエットで浮かぶ。
羽田から飛行機が飛び立ち、横浜みなとみらいが見え、風の塔が浮かびアクアラインの橋脚部が見える。
明日も天気が良さそうだ。

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# by photo-etudes-eiji | 2022-02-22 17:00 | 朝陽・夕陽

 湾岸・習志野から富士山頂は、直線距離でおよそ120km。
新浦安駅や葛西臨海公園・大井町を通り、厚木から丹沢山1,567mと塔ノ岳1,491mの間を越え、山中湖の南岸をかすめて富士山のお鉢に至る。
この距離だと、大陽は山頂よりも両側に少しはみ出す大きさになる。
二月十七日は、その山頂上に巨大な雲が浮かびなんとか大陽二つ分の晴れ間がある状況。
早く流れてしまえと祈りながらその時を待ったが、薄い雲の乱反射で太陽の輪郭が崩れてしまった。

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 残念ではあっても、その後のマジックアワーを楽しんだ。
残照に輝く雲や茜に染まるはなれ雲、その中に飛び立つ飛行機や伊豆大島まで見えそうな夕焼け。
日の出前や日没後の時間帯はマジックアワーといわれ、刻々と色を変え儚くも美しい誰もが感動に包まれる時間だ。
陽がが沈んで30分たっても、残照が幕張メッセを照らす。

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 二月十八日は、習志野ダイヤの最後の日。
目覚めて窓を開ければ、雲一つない空に真っ白な富士山がクッキリと見えている。
雲量情報を見ても快晴が続くはずだったが、時間がたつごとに雲が湧き出し午後には富士山上空に長い帯になってしまった。

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 まるで巨大な黒いナガスクジラのような雲を、この時は残念に思っていたが・・・。
やがてダイヤモンド富士の時間になり、太陽が富士山の頂に接する。
水蒸気の乱反射は押さえられている。
天辺にスッポリと重なった、ダイヤモンド富士の完成だ

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 ン!!
ファインダー越しに見ても、肉眼で見ても、太陽柱(Sun pillar)になっているではないか!
雲に遮られているとはいえ、確かに太陽の光が上空に伸びている。
太陽柱=サンピラーは日の出や日の入りの時、太陽から垂直に炎のような光芒が見られる現象だ。
上空の雲さえなければ、まっすぐに天に伸びたのかもしれない。

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 久々にスッポリ天辺ダイヤを見た感動に包まれながら、マジックアワーも楽しんだ。
東京の埋め立てで湾の最奥部になった感のある茜浜に、残照に浮かぶ孤島のような富士山・・・。
浦安や市川、そして習志野の物流センター群に光が灯る。
見上げれば、もうオリオン座が天頂近くに輝いてきた。
この突端で職場の仲間一〇数人で眺めた「1998年しし座大流星群」の、轟音とともにまるで真昼のように辺りを照らした大火球が昨日のことのようによみがえった。

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# by photo-etudes-eiji | 2022-02-20 17:00 | 朝陽・夕陽

 二月は、東京湾越しにダイヤモンド富士が見られる月。
高気圧がおおい寒気が張り出して北風でも吹けば、雲もなくクッキリとダイヤになるのだろうが、なかなかそううまくはいかない。
予行演習がてら、二月二日は市川市里見公園に。
三・四年前に市が、伸びすぎた木や枝を落としてくれたのだが、またずいぶんと伸びてきていた。
江戸川を挟んで向こうに見える東京は、ビルばかりが目立つようになってしまった。
かつては、マドンナに思いを寄せる寅さんがふらりふらりと、柴又から小岩方面に土手を歩いていそうな風景だったのに・・・。
土手のヨモギを摘んで草団子、なんて風情も消えた。
 太陽は雲の向こうに落ち、わずかに富士山の右肩が見える程度だったが、川面に伸びる光や建ち並ぶビル群にいろいろな思いの浮かぶ夕景だった。
 
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 二月一〇日は今年2度目の雪。
早朝は駄目だったが陽が昇り雪が融け出した頃、やっと富士山が見えてきた。
湾岸で見る雪景色は、心が弾む。
公園には子供達が作った泥混じりの雪だるま。
谷津干潟の雪は直ぐに消えてしまった。

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 二月一四日は、自宅ダイヤモンド富士の前日。
左肩に太陽が落ちていく。

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 二月一五日は、自宅にするか三番瀬にするか悩んで三番瀬に。
突堤にはユリカモメ・ハマシギに、ミヤコドリやたくさんのカモメ達。
右奥、南極砕氷船「しらせ」のいたところに赤い船体の曳船(タグボート)「神威」が停泊し、船橋航路を中型船が出ていく。
奥は幕張のビル群だ。
 満潮の三番瀬。
富士山は雲の向こうに隠され、夕焼け色だけが広がった。

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 二月一六日。
ここでは左肩に沈むことになってしまうが、ど真ん中ダイヤの撮れる場所は企業所有地。
船橋航路は、食品コンビナートや自動車の海上輸送などでたくさんの船が行き交う。

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 もう少し風が強ければ、静岡側の雲も消えるのだが・・・・。
しかし、太陽が山頂に隠れた後、雲が燃えるような輝きを見せてくれた。
船橋航路の浮標を入れて。

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# by photo-etudes-eiji | 2022-02-19 17:00 | 朝陽・夕陽

氷上のジョウビタキ

 気温は3°C、雪が残り氷の張った調整池。
サンカノゴイを見つけられずに苦労している一方で、ジョウビタキの♂が盛んに獲物を探していた。
ツグミやシジュウカラ・オナガにオオジュリン・カシラダカにホオジロといろいろな野鳥が姿を見せる。
雪と氷に覆われていても、野鳥たちにとってここは大事な場所なのだとあらためて思い知らされる。
 ジョウビタキ ♂ (尉鶲 Daurian redstart)

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 枯れて倒れたアシがドームのようになって、その中はかまくらのように温かなのだろう。
アシの茂みの中も比較的に温かで、昆虫類も厳しい寒さに生きているのだろう。
ジョウビタキが捕まえていたのは、クモのような感じだった。
 ジョウビタキ ♂ (尉鶲 Daurian redstart)

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 調整池のはずれの方は、ジョウビタキ♀のテリトリーのようだ。
民家の庭や公園と行き来しているのだろう。
 ジョウビタキ ♀ (尉鶲 Daurian redstart)
 
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 房総では満開に近づく梅や早咲きの桜咲く公園に見るジョウビタキが、ここでは氷上で採餌している。
そんな落差に感動する。
 ジョウビタキ ♂ (尉鶲 Daurian redstart)

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# by photo-etudes-eiji | 2022-02-18 12:00 | 野鳥