人気ブログランキング | 話題のタグを見る

 何でもそうだが、ポイントを独力で探しあてることはそれが偶然であっても小さな喜びだ。
シジミチョウメインで、他にはギフチョウ&ヒメギフチョウとクモマツマキチョウくらいしか撮らない僕だが、クモマツマキチョウの仲間のツマキチョウは一応押さえておきたい種だ。
過去にはオオルリやキビタキを撮っている途中で、たまたまでてきたツマキを撮ったことはあるが、わざわざそれを探しに行くということはなかった。
今回もメインは別にあったので、「瓢箪から駒」のような偶然の出会いだった。
 ツマキチョウ♂ (褄黄蝶 The Yellow tip)

 ツマキチョウとヒメシロチョウ _e0365355_20523702.jpg

 ツマキチョウとヒメシロチョウ _e0365355_20523763.jpg

 ツマキチョウは春の一時にだけでるチョウで、独特のカギ型の前翅をもちその先端部が♂では黄色いことから「褄黄蝶」と名付けられたようだ。
魅力的なのは翅裏で、クモマツマキチョウと同じように草摺とか雲状模様といわれる模様が、黒に黄色がまぶされて美しい。
 ツマキチョウ♂ (褄黄蝶 The Yellow tip)

 ツマキチョウとヒメシロチョウ _e0365355_20523602.jpg

 ツマキチョウとヒメシロチョウ _e0365355_20523631.jpg

 ツマキチョウとヒメシロチョウ _e0365355_20523706.jpg


 ツマキチョウとヒメシロチョウ _e0365355_20523682.jpg

 ツマキチョウとヒメシロチョウ _e0365355_20523630.jpg


 ツマキチョウとヒメシロチョウ _e0365355_20523706.jpg

 ツマキチョウとヒメシロチョウ _e0365355_20562271.jpg

 「褄=つま」とは『長着の裾(すそ)の左右両端の部分。または竪褄(たてづま)=襟下のこと』など出てくる。
チョウを着物に見立てて言えば、「袖黄蝶」ではないかと突っ込みたくなるのだが、♀ではこの黄色はでない。
 ツマキチョウ♀(褄黄蝶 The Yellow tip)  

 ツマキチョウとヒメシロチョウ _e0365355_20523692.jpg

 ツマキチョウは、モンシロチョウと同じシロチョウ科。
ついでだから、ヒメギフチョウを撮りに行ったときに出会った同じシロチョウ科のヒメシロチョウ。
モンシロに比べると小さく細長い感じのチョウで、環境省レッドリスト-絶滅危惧IB類だというので撮っておいた。
 ヒメシロチョウ (姫白蝶 The Eastern Wood White)

 ツマキチョウとヒメシロチョウ _e0365355_20562238.jpg


# by photo-etudes-eiji | 2022-04-21 21:02 |

 コムクドリもそろそろ来ているだろうと、ポイントを探し廻ったが見つけられなかった。
それならばと、チューリップ祭りの光景を眺めてランニングコースを散歩。
 佐倉チューリップ・フェスタ

ヤマトシジミとルリシジミ_e0365355_14063484.jpg

ヤマトシジミとルリシジミ_e0365355_14063549.jpg

 路肩には春の草花が満開。
ヤマトシジミが乱舞している。
ルリシジミとともに谷津干潟廻りでも良く見られるヤマトシジミは、本州以南の日本全国で見られ年に5~6化で発生するシジミチョウのなかでも小さい部類の蝶だ。
 ヤマトシジミ (大和小灰蝶 The Pale Grass Blue)

ヤマトシジミとルリシジミ_e0365355_14071026.jpg

 二頭が絡み合うように卍飛翔したり、草むらで給水したり・・・。
そんな中に♀にアタックしている♂がいて、しばらく見ているとカップル成立となった。
 ヤマトシジミ (大和小灰蝶 The Pale Grass Blue)

ヤマトシジミとルリシジミ_e0365355_14071059.jpg

ヤマトシジミとルリシジミ_e0365355_14071086.jpg

2キロほどの区間だけをじっくり見たが、不思議なことにルリシジミが見当たらなかった。
ついでだから、ヤマトシジミとルリシジミの裏翅での相違点をきれいに撮ろうかと思ったのに!
そこで帰宅後、先日のトラフシジミ・ポイントで撮ったルリシジミで、改めて 再確認してみた。
こんなことをしてみるのも、ボケ防止には良いはずだ(^^;)
 ルリシジミ(瑠璃小灰蝶 The Holly Blue)

ヤマトシジミとルリシジミ_e0365355_14091760.jpg

ヤマトシジミとルリシジミ_e0365355_14091703.jpg

ヤマトシジミとルリシジミ_e0365355_14091755.jpg

 ルリシジミとヤマトシジミの決定的な違いは複眼の色で、ルリシジミは黒で、ヤマトシジミは緑灰色。
ルリシジミ(瑠璃小灰蝶 The Holly Blue)

ヤマトシジミとルリシジミ_e0365355_14091746.jpg

 ヤマトシジミ (大和小灰蝶 The Pale Grass Blue)

ヤマトシジミとルリシジミ_e0365355_14071007.jpg


# by photo-etudes-eiji | 2022-04-18 17:00 |

 チョウジザクラは、山里では里桜に先駆けて咲くという。
葉と同時に一芽から1~2個の萼筒が出て、その先に淡紅色の花が下向きに咲く。
花を横から見ると逆さになった「丁」の字に見えることや、香辛料に使われるチョウジ(Clove)の花蕾に似ていることから名付けられたという。
華やかで艶やかに咲くソメイヨシノ(染井吉野)やジンダイアケボノ(神代曙)・シダレザクラ(枝垂桜)などと比べれば、花数も少なくつつましく控えめに咲くその姿は、咲き始めではどこにあるのか解らないほどだ。
 そんなチョウジザクラに、ヒメギフチョウが吸蜜にやってくるのだが・・・・。
ヒラヒラと舞っては通り過ぎていってしまう。
 チョウジザクラ(丁字桜)



 渓流沿いの山道を行ったり来たりしながら待ったが、一向にとまってくれない。
諦めて狙う被写体を変え、夕方前にもう一度ポイントを変えてチョウジザクラに寄ってみると・・・・。
ヒラヒラと、枯れ葉の積もった斜面を舞いながらやってくる個体が!
寄らないか?と思っていると、フッと浮き上がり花に付いてくれた。
夢中でシャッターを切ったので、この時は右前翅の先が傷ついて裂けていることにまったく気付かなかった。
一つの花で吸蜜し直ぐに次の花に移りとしてくれるのだが、良い飛翔写真が撮れない。
 チョウジザクラ(丁字桜)とヒメギフチョウ(姫岐阜蝶 The Small Luehdorfia)



 チョウジザクラとヒメギフチョウ_e0365355_09505413.jpg


 「塒入り前の夕食」ということなのか、3・4頭ほどが代わるがわる吸密にきてくれた。
チョウジザクラは、別名で「メジロザクラ」というそうだ。
他の桜では花に埋もれて探しづらいメジロも、花数の少ないチョウジザクラなら探しやすくスッキリ全身を見せてくれるということからのようだ。
そんな名の由来がピッタリするほどに、まるで余分をそぎ落とした花鳥図のようにヒメギフチョウがしがみつく。
 チョウジザクラ(丁字桜)とヒメギフチョウ(姫岐阜蝶 The Small Luehdorfia)


 チョウジザクラとヒメギフチョウ_e0365355_09523152.jpg



 チョウジザクラとヒメギフチョウ_e0365355_09513737.jpg


 チョウジザクラとヒメギフチョウ_e0365355_09513751.jpg
 

 チョウジザクラとヒメギフチョウ_e0365355_09523151.jpg


 陽がだいぶ落ちて、山影が下流側から上ってくる。
16:38、右前翅に裂傷のある個体が最後の吸蜜にきて・・・、やがて常緑樹の高い梢に上っていってしまった。
撮れた!やった!という爆発的な感動ではなく、ジ~ンとこみ上げてくる静かな感動が湧いてきたのはチョウジザクラの楚々としたたたずまいのせいだろう。
 チョウジザクラ(丁字桜)とヒメギフチョウ(姫岐阜蝶 The Small Luehdorfia)



# by photo-etudes-eiji | 2022-04-14 17:00 |

 スプリング・エフェメラル(Spring ephemeral)=春のはかない命。
春の妖精=カタクリと春の女神=ギフチョウ&ヒメギフチョウは、その代表だ。
 「三輪咲き出した。」「ヒメギフが2頭でてきたが、カタクリに来なかった。」
そんな知らせが「野鳥の会 軽井沢」の先輩から届けば、矢も盾もたまらない。
 細い渓流沿いを歩く。
民有地の斜面の一角にカタクリの自生地があり、所有者の方が手入れしてくれている。
カタクリは三分咲きになっていたが、スミレは数輪でチョウジザクラも咲き始め。
陽が射し気温が上がりしばらくすると、ヒラヒラとヒメギフチョウがやって来た。
 ヒメギフチョウ (姫岐阜蝶 The Small Luehdorfia)

 カタクリとヒメギフチョウ_e0365355_18344017.jpg


 カタクリとヒメギフチョウ_e0365355_18343525.jpg

 地元の方も登ってこられて、二人だけで存分に撮らせてもらった。
聞けば昨年は僕が訪問した後、これから最盛期という時期に「ゴッソリと採集されてしまった。」とのこと。
採集一般がすべて悪いとは思わないが、野鳥の餌付けヤラセ撮影と同じで採集も欲望には限りがないし・・・。
ましてオークションやネット販売で、新品13.000円とかオークション価格平均5.399円などなど見れば・・・マナーなど無いに等しい。
立ち入り禁止にしてしまうか、いろいろ相談しているとのことだった。
 ヒメギフチョウ (姫岐阜蝶 The Small Luehdorfia)

 カタクリとヒメギフチョウ_e0365355_18355607.jpg


 カタクリとヒメギフチョウ_e0365355_18360254.jpg

 今回の狙いの一つは、出来るだけカタクリの全身をいれてヒメギフチョウを撮ること。
枯れ葉に寝そべって、なんとか撮らせてもらえた。
 ヒメギフチョウ (姫岐阜蝶 The Small Luehdorfia)

 カタクリとヒメギフチョウ_e0365355_18370062.jpg


 カタクリとヒメギフチョウ_e0365355_18364531.jpg


 カタクリとヒメギフチョウ_e0365355_18364540.jpg


 カタクリとヒメギフチョウ_e0365355_18373520.jpg


 カタクリとヒメギフチョウ_e0365355_18373491.jpg


 カタクリとヒメギフチョウ_e0365355_18374162.jpg


# by photo-etudes-eiji | 2022-04-12 18:41 |

雪割草とギフチョウ


 3月下旬から4月始めは心が騒ぐ。
野鳥ならベニヒワやレンジャクの北帰行に出会えたり、チョウならスプリング・エフェメラルなカタクリとギフチョウやヒメギフチョウの時季だし、夏鳥の飛来も始まるからだ。
そんななかで、このところ狙っていたのが雪割草とギフチョウの一枚だった。
カタクリやショウジョウバカマ、チョウジザクラやマメザクラにシダレザクラでは撮ったことはあるが、雪割草では手強く撮れないでいた。
雪割草をサクサクと一通り撮って、じっくり雪割草とギフチョウを狙おうともくろんでいても、雪割草のかわいらしさに見惚れてばかりで時間がたってしまった。
撮れているのは、まばらな雪割草の林床を飛ぶギフチョウや、ショウジョウバカマとカタクリの斜面でのギフチョウ。
 ギフチョウ (岐阜蝶 Japanese Luehdorfia)

 雪割草とギフチョウ_e0365355_10583541.jpg

 雪割草とギフチョウ_e0365355_10583545.jpg

 雪割草とギフチョウ_e0365355_10583535.jpg

 気がつけば昼近くなってしまい、「二兎を追うもの一兎も得ず」などという故事成語が頭をよぎる。
気持ちはあせり出す。
ギフチョウは10頭+があちこちで飛び回っているが、なかなか花にとまってくれない。
上り下りを何度も繰り返したとき、枯れ葉の中でギフチョウ2頭が絡み合っていた。
慌ててレンズを向けると、四・五枚撮ったところで片方が飛んで行ってしまった。
交尾だったのか?それとも単に♂同士のテリトリー争いだったのか?わからないまま・・・・。
 ギフチョウ (岐阜蝶 Japanese Luehdorfia)

 雪割草とギフチョウ_e0365355_11003311.jpg


 雪割草とギフチョウ_e0365355_10583456.jpg

 日が陰りギフチョウは高い梢の葉に帰り出が悪くなり・・・また陽が射しだした16時近くになって、なんとか枯れ葉に降りたり土襞のむき出しになった斜面でミネラルを摂ったりする個体に出会えた。
 ギフチョウ (岐阜蝶 Japanese Luehdorfia)

 雪割草とギフチョウ_e0365355_11011266.jpg

 雪割草とギフチョウ_e0365355_11011372.jpg

 雪割草とギフチョウ_e0365355_11011219.jpg

 飛んでいく先には、まばらでも雪割草が咲いている。
とまれ!とまれ!と念じながら、静かに後を追う。
降りた!
3年かかって、やっと念願の時がきてくれた。
赤紫の萼をしっかりとつかみ、ストロー状に伸びた口吻が雪割草の蘂に伸びている。
確かに雪割草だと解る角度で、しっかりと翅を開ききってくれた。
 欲は切りがなく咲き誇る群落にはほど遠かったけれど、二度のチャンスに雪割草とギフチョウを撮れただけで十分な満足感にドッと疲れが出た。
 雪割草とギフチョウ (岐阜蝶 Japanese Luehdorfia)

 雪割草とギフチョウ_e0365355_11015117.jpg


 雪割草とギフチョウ_e0365355_11015176.jpg


# by photo-etudes-eiji | 2022-04-10 06:00 |