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渓流沿いのキビタキ

 キビタキがピッコロロピッコロロと鳴いている。
ポッキリポッキリ、オシーツクツクと様々なバリエーションでさえずっている。
 キビタキは綺麗な鳥だ。
学名や英名にNarcissusとあるように、橙黄色から白の鮮やかなグラデーションがギリシャ神話の「ナルキッソス」の変身してしまった「水仙」に見立てられたようだ。
「Flycatcher」は昆虫などを空中捕獲するヒタキ科に使われている。
キビタキ(英名 Narcissus Flycatcher)♂

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 キビタキは、僕を一番最初に遠征に連れ出した鳥。
二昔前、「Nikonデジタルネット」という掲示板で秋田の方が見せてくれていて、撮ってみたいと思った野鳥だ。
山中湖の水場を先輩に紹介されて行ったが、撮れたうれしさ半分で鶏に餌をやっているような光景にビックリしたものだった。
 夏鳥のキビタキが山にやってくると、最初は渓流沿いでよく出会える。
雪が最初に溶け出し、虫が湧き羽虫などが飛び食べ物が豊富だからだろう。

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 まだ芽吹いたばかりの枝に止まっては、飛び立って飛んでいる虫を捕らえる。
背から腰の黄色も綺麗だ。
この背から腰の黄色のぷっくらと膨らませた姿は、雌へのアピールだったり雄同士の縄張り争い時に良くみられる。
この沢には二羽の雄がいた。


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 鳴き声の多彩さを撮ろうと思っていたが、まだ雌が飛来していないのか朝一に高い梢でさえずったくらい。
沢を登ったり下ったりしながら、食事に夢中だった。
 先回りしていると、ドンと目の前に飛び出したことも。
喉元がとってもきれいで、レンズを通してお見合いした。

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 渓流沿いの木々はまだ芽吹いたばかり。
ミソサザイも時折小さく鳴く程度で、たまに来るオオルリにセンダイムシクイ・クロツグミていど。
まだ飛来数が少なかった。

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 キビタキで不思議に思っていたのは、羽衣に成鳥雄のような完全な黒・黄・白ではない個体を見ること。
ルリビタキなら「羽衣遅延成熟」で、三年四年とたつほどに美しい瑠璃色が出るが・・・、キビタキは換羽が終わっていない様な雄がいる。
下は昨年五月、奥深い標高1400mで撮った個体。
桜の枝から運送用道路に下りてきた。
後頭部や肩から雨覆・風切と換羽が終わっていない。
キビタキ 換羽遅延個体♂

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 どういうことなのか不思議に思っていたら、今月号のバーダーに答えが。
「換羽は多くのエネルギーを必要とするから換羽を優先するか、中止して渡りを優先するか選択する方法をとっている・・・」ということのようだ。
キビタキ 換羽遅延個体♂

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 「長い距離を渡る個体は脂肪を蓄積するためあまり換羽せず、短い距離を渡る個体は多く換羽する」
そんな仮説が成り立つか写真を撮って検討して欲しいと書かれていた。(バーダー5月号 鳥博士の研究レポートより)
この夏、そんな視点でよく見てみようと思う。

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 それにしても、この日のキビタキはさえずりが朝だけ。
餌取りに出てくれるのはありがたいが、声を聞けないのは何とも寂しい。


                       
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 最後の最後で別個体がやってきて、ブンブンと鳴き追いかけっこをしてくれたが、動画は間に合わず。
残念だったが、もう少し芽吹きが進んでからまた会いに行こう。
キビタキ(英名 Narcissus Flycatcher)♂

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by photo-etudes-eiji | 2017-04-29 10:04 | 野鳥 | Comments(0)

 ルリビタキは留鳥または漂鳥だから、一年中どこかで会うことができる。
冬期、低地に移動してきて都市公園などで出会うが、複雑な思いに駆られてしまう。
まるで玩具のように梅だ・ロウバイだと弄ばれ、生餌飼料で「メタボになる」と笑われているのはあまり気持ちの良いものではない。
高村光太郎の詩、「ぼろぼろな駝鳥」が浮かんでくる。

 ルリビタキが、山に帰ってきた。
山のルリビタキは自由だ。
生き生きとさえずり、忙しく渓流を飛び回っている。
 ルリビタキ (瑠璃鶲 Red-flanked bluetail)♂

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 上流から下流へ、苔むした岩の上から沢沿いの小枝に移りまた岩に乗って、見えなくなったと思えば戻ってくる。
三月の大雪で沢の水量は多く、水しぶきが光り輝く。
レンズ越しにルリビタキも、僕を確認したようだ。
羽衣の綺麗な雄の成鳥だ。

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 ルリビタキは、特殊な「羽衣遅延成熟」という発色様式をもつめずらしい野鳥だ。
「性的二型」(雄雌で大きく外見が異なる)の普通の鳥の場合、生まれた翌年の繁殖期に間に合うように換羽によって羽衣が派手になる。
オオルリなどは、生まれたその秋にはもう瑠璃色が広がり、第一回夏羽では成鳥♂と同じになっている。
ルリビタキは初繁殖期の第一回夏羽でも、雌と大差ない羽衣で二年目以降にだんだんと瑠璃色が濃くなっていく。
今回見ることができたのは、二羽の綺麗な雄と雌一羽で、第一回夏羽の個体はいなかった。

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 ルリビタキの英名は、Red-flanked bluetail。
「赤い側面の青い尾羽」という感じなんだが、どう見ても黄色味の強いオレンジにしか見えないから不思議。
 メーテルリンクにからませて「幸せの青い鳥」という話も良く聞くが、童話の青い鳥は「鳩」。
かわいくて綺麗だから、童話の中身まで変えられてしまっているような気持ちがする。

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 近くにはルリビタキの雌がいた。
ルリビタキの雌と第一回夏羽の雄の区別は難しい。
ここでは、アイリングの太さや脇のオレンジ部分の不明瞭さ・嘴基部からの眉斑の様子から雌と判別したが・・・。
 
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 時折、みぞれが舞った。
何度も廻ってきてくれたので、沢の流れを画面にいれ雪粒を丸ボケのように撮ることができた。
うれしかった。

 
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 ここで一休みしたら、一気に高度を上げて繁殖地に上がるのだろう。
少なくとも、標高1500mは超えるはずだ。
仙丈ヶ岳の小屋を下った標高2600mあたりで、巣立ち雛を見て撮ったことがある。
無事にたどり着いて繁殖がうまくいくことを祈った。

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 ルリビタキもコマドリも、オオマシコやヤマセミも・・・野鳥はかわいいが、それを撮る人間には考えさせられてしまうことが多い。
一九二八年発表の詩と、晩年の迎合と変節。
なにやら・・今を思って、もう一度読んでみた。
(著作権は切れていると思うので・・・)

 高村光太郎   ぼろぼろな駝鳥

何が面白くて駝鳥を飼ふのだ。
動物園の四坪半のぬかるみの中では、
脚が大股過ぎるぢやないか。
頸があんまり長過ぎるぢやないか。
雪の降る国にこれでは羽がぼろぼろ過ぎるぢやないか。
腹がへるから堅パンも食ふだらうが、
駝鳥の眼は遠くばかり見てゐるぢやないか。
身も世もない様に燃えてゐるぢやないか。
瑠璃色の風が今にも吹いて来るのを待ちかまへてゐるぢやないか。
あの小さな素朴な頭が無辺代の夢で逆まいてゐるぢやないか。
これはもう駝鳥ぢやないぢやないか。
人間よ、
もう止せ、こんな事は。







by photo-etudes-eiji | 2017-04-26 07:01 | 野鳥 | Comments(2)

コマドリ 2017

 サクラが花吹雪となって、ヤナギの新緑が眼に鮮やかになると、コマドリがやってくる。
今年もやって来てくれた。
 夜明け前の空は北斗七星が輝いていたのに、夜明けとともに雲が。
朝陽がさしたと思えば、小雨が降る。
それがやんだと思えば、今度は本降りになってまた日射しが。
軽く雪が舞いヒョウが降ってきた。
そんな山の天気の中で、コマドリを探し歩いた。
1時間近く歩いても声がしない。
別のポイントに移動しようかと考えたとき、笹藪の奥から懐かしい声が!
 コマドリ (英名 Japanese robin 学名E. akahige

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 ところがどこにいるのか、さっぱりわからない。
一羽が鳴けば、どこかで別の個体が鳴くかと思っても、その声も無い。
わからないまま、あちこちを探すと・・・・!
笹藪の縁の倒木の上に、ピョンと飛び乗った影が眼に入った。
 そして一声だけヒンカララ!と鳴いた。

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 一鳴きしてピョンピョンと笹藪の中に。
雨が降り出せば、笹藪に入るよなぁ・・・、こちらはぬれながら探し歩く。
本降りになって、なおさら声は聞こえなくなって、こちらも雨宿りだ。
一個体しかまだ来ていないのだろう。
雨が小降りになって日射しが、と思えばヒョウが降る。
2時間3時間歩き待ち疲れた頃、今度は石化した倒木に!

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 樹林の幹や枝が邪魔して・・・トリミング前提で、すきまからやっと撮れた。
次の瞬間右に動いたら・・・手前の木の幹が!!
 でもね!それでも良いんだ。
やがてほかの個体達も到着して、このコマドリもここからもっと高度を上げ本来の営巣域に移動していく。
今年も会えたことがうれしい!
今年も会えることがうれしいからね。

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 コマドリとの出会いの時期は、山の天気は不順だ。
うれしかったのは六年ほど前。
山は四月の雪に覆われ笹藪も埋もれ・・・、日射しのある登山道に出てきてくれた時。

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 日射しで暖められた細い沢沿いの地面なら、昆虫やミミズなどがいるかもしれない・・・と探しているようだった。
沢を渡るときに、ピョンと乗った流木の雪が!

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 こんな出会いはもうないだろうな、と思いながら四月になれば毎年会いに行っている。
この夏はどんな出会いを撮れるだろう。
樅だろうか、こんな緑の枝の中でも、また会いたいな。

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 コメツガやシラビソもいいな。

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 そうそう、コマドリで有名な話。
学名登録の際に取り入れられた和名が、コマドリがE. akahige、アカヒゲがE. komadoriと、取り違えられたこと。
さらに、亜種アカヒゲは奄美にいて、沖縄の亜種はホントウアカヒゲと呼ばれ、羽衣に違いがあったり・・・。
そんなこともコマドリの魅力の一つ。
 ホントウアカヒゲ (沖縄本島やんばるで)

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 奄美大島で出会ったアカヒゲ。

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 いろいろな場所に、今年も会いに行こう。
コマドリのさえずりはこちらで。

 
 



by photo-etudes-eiji | 2017-04-22 06:43 | 野鳥 | Comments(0)

春の女神 ギフチョウ

 ギフチョウは、「春の女神」と呼ばれる。
昨年出会えたものに今年はまだ・・・となると気にかかるもので、ギフチョウの舞う山に再度出かけた。
山麓の集落沿いの道は、こぶしや豆桜・しだれ桜が咲きスミレも満開になっていた。
ヒルトッピング(Hill Topping)という、蝶が山頂に集まってくる現象を狙って登山道を上ろうかと思っていたが・・・。
登山道に着く前に、もう数個体出ていて掴まってしまった。
 ハナニラの先に ギフチョウ(岐阜蝶・学名 Luehdorfia japonica)

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 人を魅了する特別な力を持った「ギフチョウ」という蝶がいることを知ったのは、二昔も前のこと。
日本三大雪渓の一つ、針ノ木大雪渓を登った針ノ木小屋でだった。
同じ単独行の青年は蝶を探して、翌日さらに船窪岳にまわるという。
彼が追っていたのが、ギフチョウだった。
 スミレで吸蜜するギフチョウ

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 山小屋の談話室で、いろいろと教えてもらった。
日本の国蝶の座を、オオムラサキと争ったこと。
次点となってしまった原因が、リュードルフィアライン(Luehdorfia Line)でヒメギフチョウと棲み分け、その西・南にしかいないこと。
ギフチョウには、翅の縁が黄色いイエローバンドという特異なものがいること。
 スミレに止まるギフチョウ

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 ギフチョウの雄は、雌より少し先に羽化し山頂に集まり(ヒルトッピングHill Topping)、あとから羽化した雌が登って来て交尾する。
そうして交尾を終えた雌は、山を下るとか・・・。
いろいろなことを教えてもらった。
 わずかに残ったカタクリの花に、ギフチョウが来た!
スプリング・エフェメラルの競演だ!

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 そんなことから、ギフチョウはいつかじっくりと見たい=撮りたい被写体になったのだった。
20数年たって出会えたギフチョウは、黄色と黒の縞模様や後翅の外側の青や橙・赤色の斑紋が美しく、カタクリが咲いたと聞けば会いたくなる蝶になった。
イエローバンドを撮れたのは、やっと去年のことだった。 
 近くのミツバツツジに、一瞬止まってくれた。

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 こうなったら、マメザクラに来る個体を狙おう。
10頭近くがあちこちに出ていたので、マメザクラにもよく来てくれた。
しかし、なかなか表の良いところには来てくれない。
やっとのことで枝の透けた間から撮ったが、イイ案配に前ボケが入ってくれた。

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 最後は八重枝垂れ桜。
地元の方とのんびり話し込みながら待つと、30分くらいおきに寄ってきて良いところに止まってくれた。

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 ほんとうにありがたい、とても喜ばせてくれる個体だった。

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 目の前に止まったり、逆光に透ける翅を撮らせてくれたり、見上げの青空バックだったり・・・。

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 枝垂れた枝の先にぶら下がってくれた。
日本の固有種が桜の枝先に!

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 先日、「ベニシジミは生涯一度しか交尾をしない」「交尾後はセクシャルハラスメント回避行動をとる」ということを知った。
ギフチョウもまた違った方法で、二度と交尾はしないそうだ。
羽化して成蝶となったギフチョウは、わずか1~2週間ほどで生涯を終える。
紅枝垂れ桜に何度も来てくれるギフチョウを撮りながら、スプリング・エフェメラル(Spring ephemeral)=「春のはかないもの」「春の短い命」を想った。

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by photo-etudes-eiji | 2017-04-18 20:22 | | Comments(0)

 「ノビタキが来た!」と、信州の鳥友からの便りが。
ベニヒワを撮ったのはつい先日のことなのに、もう少ししたらコマドリやオオルリ・サンコウチョウやブッポウソウがやってくる季節だ。
その前に昨年集中して撮ったシジミチョウ科を、もう少ししっかり撮っておこうと公園に。
ベニシジミがハナカイドウ(花海棠)にとまった。
ベニシジミ (紅小灰蝶 チョウ目シジミチョウ科ベニシジミ属)

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 紅シジミは年に3~5回発生し、春型は赤橙色の部分が鮮やかだ。
アセビ(馬酔木)に雌雄が寄ってきて追いかけっこ。
求愛行動だ。


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 ベニシジミのメスは生涯に一度しか交尾をしないそうだ。
どうやら気にいったようだ。
ベニシジミ交尾

  
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 そこに突然、別のベニシジミ雄が!
周囲を飛び回っては割り込もうとして・・・。

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 しばらく飛び回り、止まってはまた飛びたち・・・。

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 あまりのしつこさに、交尾中のペアも飛びたち移動してやっと落ち着いた。
ちなみに、ベニシジミのメスは生涯に一度しか交尾をしないので、既に交尾を終えたメスは翅を小刻みに震わせながら歩きオスが離れて行くのを待つそうだ。
ベニシジミのメスがオスに対して翅を閉じる行動は、しつこい求愛に対しての拒否行動なのだそうだ。

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 アセビの木にはトラフシジミもやってきた。
翅裏のしま模様からトラフと名が付いた。
寒冷地では年一度だが、こちらでは年2回発生する。
トラフシジミ(虎斑小灰蝶 チョウ目 シジミチョウ科)

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 後翅の、オレンジ斑に黒点と尾状突起が目を引く。
馬酔木の花にものってくれた。
トラフシジミ(虎斑小灰蝶)

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 こちらの個体は、まだ羽化してそんなに時間がたっていないのかもしれない。
よちよち歩きといった感じだった。
トラフシジミ(虎斑小灰蝶)

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 前ボケをいれたり、這いつくばって撮ったり・・・。
 
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 レンギョウは満開。
桜の花びらもハラハラと穏やかな風に舞い、のんびりと散策しながらたっぷりとシャッターを切った。
トラフシジミ(虎斑小灰蝶)

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by photo-etudes-eiji | 2017-04-15 21:52 | | Comments(0)

 湾岸近郊の保護地では、3月半ばからカタクリが咲き出す。
春先に地上に出てきて花をつけ、葉を茂らせたかと思うと林床に埋もれてしまう。
そんな植物をスプリング・エフェメラル(Spring ephemeral)春の妖精という。
落葉樹林の地表面は夏は高木が葉を茂らせ、冬は雪が積もって暗い。
雪解けを迎えた春先の一時期だけが、太陽の恵みに照らされる。
その一時に一年分の光合成をおこなって、根に栄養をためる。
カタクリはそうして発芽から開花まで8年ほどして、やっと花が咲く
カタクリ(英名dogtooth violet)

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 スプリング・エフェメラルで一番最初に目にするのは、初詣の境内の露天に並ぶフクジュソウ。
温室で栽培された花でも、気持ちはパッと明るくなる。
英名からはアムール川とギリシャ神話の美と愛の女神アプロディーテに愛された美少年アドニスがあって、想念はあちらこちらに広がってゆく。
福寿草、(英名Far East Amur adonis )
 
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 ユキワリソウやアズマイチゲが顔を出し、セツブンソウの便りが信州の鳥友から届く。
そうすると、身近な植物園に行きたくなる。
キクザキイチゲ、その株の一輪だけに日射しが・・・。
キクザキイチゲ (菊咲一華)

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 ウグイスカグラ(鶯神楽)はもちろんスプリング・エフェネラルではないけれど、あれば目を引かれる。
鶯が鳴きはじめる頃に花が咲く、とのことからこの名前になったらしい。
昨夏、野鳥と蝶の先輩に教えられて初めてその実を食べた。
赤いグミのような実はほのかに甘かった。

ウグイスカグラ(鶯神楽)

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 桜咲く植物園を、今年は車いすを押して歩いた。

 
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 春先のみ成虫が出現するチョウも、スプリング・エフェメラルと呼ばれている。
しかし、頭に浮かぶのはせいぜいカタクリに止まり吸蜜するギフチョウくらい。
ギフチョウ・ヒメギフチョウ・クモマツマキチョウ・スギタニルリシジミ・コツバメなどもそうだとは、
昨年までは知らなかった。
しかも学名に、japonicaとついていたなんて。
ギフチョウ 英名(Japanese luehdorfia)

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 クモマツマキチョウも、昨年までは雲間月蝶と誤解していた。
翅裏の雲のような模様と月のような黄色から、早とちりしていた。
昨年から鳥撮りの合間に、シジミチョウをメインに撮りだして教えてもらった。
雲間褄黄蝶の「褄」は、着物の裾の左右両端の部分のことだそう。
でも、雲間から月が見える・・・そんな早とちりの方が合っているような気がする。
クモマツマキチョウ

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 今期初のギフチョウに会いたいものだと、先日山に行ったが一瞬見ただけで画像に残すことはできなかった。
出会えたスプリング・エフェメラルは、スギタニルリシジミとコツバメにミヤマセセリ。
スギタニルリシジミ

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 コツバメが一頭、アセビに来てくれた。
コツバメ
 
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 じっと待ったら、さらに花の上に止まってくれた。

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 昨年のシジミチョウ・ギフチョウ・クモマツマキチョウ画像は、Nikon imagespace のアルバムで。
https://nis.nikonimagespace.com/html/guest/index.html?g=rSyS2e5LlexNWdVLUEkTsf1_5fN4eJCrJQ-LCiRn-w6exwTqwVhm2Zu8QEullbzTcwWEVtoDVUERvPMHYbS7BA)
 







 


by photo-etudes-eiji | 2017-04-10 06:00 | | Comments(0)

 冬鳥が北に帰る頃になると、毎年「シマアジ」という名前を聞く。
東京や利根川河口部などに入ったといっては、話題になる旅鳥。
水鳥に興味の薄い僕には、マアジやムロアジの仲間というのが初めに出てくるのだが・・・。
野鳥の「シマアジ」が谷津干潟に来たというので、散歩がてら見に行った。
シマアジ 縞味(Garganey)♂成鳥

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 水鳥の「シマアジ」は雄の羽衣の縞模様と、トモエガモの古名「味鴨」のアジからきているらしい。
谷津干潟を一回りしてから・・・と、開門にあわせて淡水池に。
眉斑の白で、すぐ見つけられた。

                       
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 池の中央部で頭を水面に突っ込んではほんの一瞬顔を上げ、また水面下に。
そのせわしなさは、顔を上げたと思ってシャッターを切ると画像は水面下ばかり。
すぐに慣れたが・・・。
 その上に縞模様の白線が、白飛びする。
マイナス0.7でも・・・。
シマアジ ♂

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 忙しなく水面下に顔を突っ込んでは泳ぎ回り、時たま仕切りを越えることはあっても、飛ぶことは無く・・・・。
満開になった桜、春の谷津干潟の一時を楽しんだ。
シマアジ♂

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 この時期は冬鳥が去り、夏鳥にはもう少しという時期。
昨年の谷津干潟「コクガン」も、楽しませてくれた。
近づきすぎたほかのカモ達を、叱りつけるかのようにブイブイと・・・・。
コクガン(黒雁)

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 その一方で、ハヤブサやオオタカが現れたときなど他の鳥がサッと飛び立っていくのに、
コクガンはドンドンおい抜かれて行く。
そのギャップが笑わせてくれた。

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 まぁ、体が大きい分不思議でも無いのだが・・・。

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 ホウロクシギ(焙烙鷸)も、昨年のこの時期だった。
台湾や東南アジア・オーストラリアで冬を過ごし、シベリアなどで夏に繁殖。
その途中、谷津干潟に寄る旅鳥。
この鳥も、春の干潟散歩を楽しませてくれた。

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 その湾曲した嘴で干潟をつつき採餌する。
仕草がおもしろかったし、飛び姿もなかなか楽しめるものだった。
ホウロクシギ(焙烙鷸)

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 普段、水鳥は撮らないが、こんな鳥がいると散歩にカメラを持ち出してしまう。
すると、そこで引っかかってしまって・・・散歩にならなくなってしまうのが問題だが。
ホウロクシギ(焙烙鷸)
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by photo-etudes-eiji | 2017-04-06 22:43 | 野鳥 | Comments(2)

ベニヒワ・・・その2

 ベニヒワは同じアトリ科の野鳥の中でも、撮影するのに苦労させられる鳥だ。
ハンノキの実につくと、後頭部から背面しか見えない。
こちら向きではお腹から尾翼しか見えない。
どれが雄やら雌やら・・・。
こちらが動かずに狙いの個体を探していても、一羽が危険信号を出すと一斉に飛び立ってしまう。
ベニヒワ(Common redpoll)雄

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 小枝の先端にぶら下がってくれれば良いのだが、それが雄とは限らないし・・・。
背景もまた難しい。
曇天の空・青空・雪バックや吹雪いている中・・・。
それぞれに露出が難しい。
その上雪景色の中で探していると、こちらの眼が雪眼になってしまいそうだ。
ベニヒワ(Common redpoll)雄

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  たっぷりと雪をまとったハンノキの中に、成鳥雄がいた!
飛びついた瞬間、枝に積もった雪が舞う。
ベニヒワ(Common redpoll)雄

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 こんな瞬間もおもしろかった。
まるで懸垂でもしているようで・・・。
ベニヒワ(Common redpoll)雄

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 ぶら下がってこっちを向いてくれた。

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 あちらからこちらへと忙しなく移っては、種子を食べる。
ベニヒワ(Common redpoll)雄

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 以前、先輩鳥友のIさんと「ベニヒワには森林性の種と草原性の種がいるのだろうか?」という話題になったことがある。
奥日光や裏磐梯・八ヶ岳ではズミやハンノキや白樺の種子を食べていた。
しかし、北信や金沢や通過の房総では田畑の畦の草の実を食べている。
地表が雪に覆われていれば梢で、そうで無ければ・・・ということなのだろうが。
ベニヒワ(Common redpoll)雄
 
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 そんなことを考えながら、雄を探してはシャターをきりまくった。

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 この日、ベニヒワは一体何羽くらいいたのだろうか?
当初は30羽くらいかと思ったが50羽プラスにも思え。
そこで記録用にと、数えやすい場所に群がった瞬間を撮っておいた。
帰宅して、一羽二羽と数えてみるとこのカットが最大で69羽いた。
もちろんそれがすべてでは無く、画角の外にもいてほぼ7割くらいだが。

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 マヒワが一羽混ざっていた。
マヒワの群れの中にベニヒワがというのはあっても、その逆は初めてだった。
マヒワの黄色がひときわ目立った。
ベニヒワ♀とマヒワ(Eurasian siskin)♂

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 山の天気は変わりやすい。
また雪が降り出してきた。
ベニヒワ(Common redpoll)♀


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 上空をコハクチョウが、鳴きながら北へ飛んでいった。
もう数日で、ベニヒワ達も北帰行だろう。
それともこの雪で、まだしばらくいてくれるのだろうか?
いずれにしても、僕には「さようなら!また来期ね!」だった。
ベニヒワ(Common redpoll)♂
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by photo-etudes-eiji | 2017-04-02 16:04 | 野鳥 | Comments(4)