2019年 03月 10日
キクイタダキは松むしり?・・・ ①
キクイタダキ(菊戴)は、鳥の王様。(= 2017年05月 16日を参照)
その一方で、松毟鳥(まつむしり)とか松くぐりの別名があり、松毟鳥は春の季語で菊戴は晩秋の季語という。
辞書を調べてみると、「松の若葉の頃、葉をよくむしる」とか「カラマツの葉をむしる習性がある」ことからきた古語だそうで、若葉をむしるという点で春の季語なのだろう。
松や杉・檜の中を忙しく動き飛び回り、なかなかしっかりスッキリと撮らせてくれない。
キクイタダキ(菊戴 Goldcrest)
「松むしり」の名は気になっていて、その場面を見てみたいと頭の片隅に置いていた。
しかし、なかなかそんな場面を撮ることはできなかった。
今季は冬鳥本隊もなかなか飛来せずだったので、キクイタダキにずいぶん遊んでもらった。
キクイタダキはあちこちに飛来したが、なかなか低い位置におりてきてはくれなかった。
松葉のなかに埋もれ、ピント合わせも四苦八苦。
松の枝から枝へ飛び回り、一時もじっとしてくれない。
一円玉三~五枚分の重さ=3~5gの体重は、こんな体重移動の瞬間の松葉のしなり方で実感する。
1秒間に11コマ連写とカメラの機能を押さえているせいも有るが、枝先から枝先に飛び移るのも瞬時の0.4秒ほどで移っている。
そのせいもあって、なかなか松葉をむしっている場面は写せないでいる。
いつかそんな場面に出会い、撮ってみたいものだ。
「松くぐり」の別名は、すんなり納得出来る。
あの針のような松葉をうまくかき分けて、冬芽の元あたりについた幼虫・卵などを食べているのだろう。
松くぐりの他には、杉くぐりといった言い方もあるようだ。
杉やヒノキやサワラなどの樹木に入る場面は、よく出会えた。
「次はどこに移ろうか?」などと考えているのだろうか?
こんな姿はたまらなく可愛らしい。
小首をかしげて獲物を探す仕草は、よく見せてくれる。
キクイタダキは鳥の王様。
この王様は、召使い達に料理を用意されることもなく、日がな一日自らの食べ物探しに休む暇も無く飛び回っている。
キクイタダキ(菊戴 Goldcrest)