日本一小さい鳥・・・キクイタダキ

 1円硬貨を5枚並べて、ジックリ眺める。
一円玉は、重さが1グラムで直径2cm。
5枚ならべれば、キクイタダキの全長(仰向けに寝かせた嘴先端から尾羽の先まで)。
ここに一枚足せば、6gでキクイタダキの平均体重。
日本で見られる野鳥の中で一番小さい鳥=キクイタダキが、今期は当たり年であちこちの公園に来ている。
原画を縮小して実際のキクイタダキとほぼ同じ大きさにしてみた。
 キクイタダキ(菊戴 Goldcrest 学名:Regulus regulus)

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 キクイタダキは春から夏の繁殖期は亜高山帯から山地にかけての針葉樹林に生息し、秋に低地や暖地に移動してくる「留鳥」または「漂鳥」だが、3~4年おきに多数が首都圏に飛来する傾向があるように思う。
日本で見られる野鳥の中で、エナガ・ミソサザイとともに最小の鳥の一種とされるキクイタダキ。
スギやマツの枝葉のなかでチョコマカと動き回って、なかなか撮らせてくれない。

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 野鳥の大きさは、地域差や個体の雌雄・年齢差などで多少の違いもあるから単純に比較はできないが、手元の資料で大きさを比べて見た。

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 キクイタダキ  全長100mm 尾羽長 41mm 体重 6g 
 ミソサザイ   全長105mm 尾羽長 35mm 体重 9g
 エナガ     全長136mm 尾羽長 74m 体重 8g
(元資料=日本産鳥類測定表 日本野鳥の会大阪支部 1941年 故佐々木勇氏が作成)
 日本鳥類標識協会の第一回測定値報告でも同様な数値だった。

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 日本一小さい鳥キクイタダキは、昆虫やクモ、チョウや蛾の幼虫などを主食にしている。
スギや広葉樹で見るときは、こちらは安心して見ていることができる。

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 しかし問題は、マツの尖った葉元を縫うように忙しなく移動しているときだ。

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 キクイタダキの小さな体に、あの尖った松の葉は凶器ではないのだろうか?とつくづく思う。
カマキリに捕食されてしまうこともあるキクイタダキは、自らの危険を引き替えに尖った松の葉に守ってもらっているのかもしれない。

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 小さい体と細いクチバシは、他の種が利用できないような針葉樹の細かい隙間からもエサをとることができる。エナガやシジュウカラと混群になって動いているのも、そんな特性からだろう。

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 キクイタダキの頭頂には黄色の冠羽があり、普段は一辺の花びらをのせたように見えるが開くと菊の花びらのように見えることから和名がついたという。
しかしなかなかその花びらを見せてくれない。

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 菊の花びらを開花させるのは繁殖期の初めの頃というが、なにかの拍子で開くこともあるのだが・・・。

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 キクイタダキは「鳥の王様」。
これについては過去記事2017年05月16日を参照。
学名のレグルス(Regulus) が、ラテン語で「(小さな)王」ということからだけではない。
 
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 日本一小さい鳥キクイタダキに遊ばれながら、毎回、やっと撮っている。
キクイタダキのせわしなさに比べれば、世界一小さい鳥マメハチドリは花の蜜を吸うためにホバリングするから少しは楽だろうかなどと考えたりしながら・・・。
 
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 ちなみに、世界一小さい鳥は、キューバに生息するマメハチドリで全長4~6cm、体重2g。 
当然、卵も世界一小さく、マメハチドリの卵は長さ約6mm、重量は約0.3gというから驚く。
現場ではそんなことを考える余裕など無く、必死に探しレンズにいれれば、枯れ松の高い位置のマツボックリに鎮座したキクイタダキがキョトンとしていた。

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by photo-etudes-eiji | 2018-12-13 06:00 | 野鳥 | Comments(0)