チョウセンアカシジミ

 チョウセンアカシジミも、大雪山に住むナキウサギ同様に、氷河期を越えて命をつないでいるチョウだそうだ。
 『チョウセンアカシジミは、氷河期を経たはるか太古の昔に大陸から渡り限られた地域に陸封された希少種。鱗翅類シジミチョウ科に属している。この蝶は名前が示す通り朝鮮半島、中国北東部、ウスリー、アムール地方だけに分布すると考えられていたが、昭和27年(1952)当時の宮古高校教師・山本弘氏・・・により田野畑村での発見が報告され、以後の調査により日本国内では岩手、山形、新潟などに生息していることが判明した。』 岩手県宮古市みやこ百科事典 ミヤペディアより
かつて日本海がなく、日本列島が大陸の一部だった頃から命をつないでいたというから壮大な歴史を秘めた姿に感動する。
 チョウセンアカシジミ 朝鮮赤小灰蝶

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 日本に産することが判明したのは1952年で、それ以前は朝鮮産として知られていたのでこの和名があるそうだ。
トネリコの葉の上で休んでいた。
今年の発生は五月の末と早かったそうなので、三週間ほどたっているので会えないか会えても傷んだ個体だろうと思っていたが孵化してわずかという個体に会えた。

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 チョウセンアカシジミは、環境省のレッドデータブックで絶滅危惧種2類で鳥類でいえば、サシバやハヤブサ・アカヒゲ・クマゲラ・サンショウクイなどと同じ位置にいる。

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 『チョウセンアカシジミの幼虫が食べるのは、トネリコという木の葉だけです。
 トネリコにはいくつかの種類がありますが、チョウセンアカシジミの幼虫は葉が広くなるデワノトネリコしか食べません。デワノトネリコは、地元ではアオダモ、ヤチダモ、モエブト、タモノキなどと呼ばれているようです。 』 岩手県宮古市教育委員会 
 こちらの個体は羽化不全なのだろうか?
それでも、夕方にはしっかり飛び回っていた。


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 蝶類はよく花にとまっては吸蜜するが、観察していてもチョウセンアカシジミにそのような雰囲気がない。
調べてみると『本来花などから吸密することがなく、水分のみで生きているチョウセンアカシジミだから、周囲に吸密源の草花は必要ない・・・・・』という一文に出会った。

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 ほんとうだろうか?
トネリコの葉に止まってそこから養分などを得ているのではないのか?
水だけというのは信じがたい話しだが、僕にはまったく解らない。


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 チョウセンアカシジミは、なかなか表翅をひろげて見せてはくれない。
それでもやっと、ワンチャンスだけ何とかこの程度ひらいてくれた。

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 トネリコの枝をよちよちと歩く個体がいて、「産卵するよ!」と教えて貰った。
トネリコの幹の北側の樹皮に、ほのかに緑っぽい卵を産み付け始めた。


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 最盛期には二〇〇頭近くが乱舞したそうだが、終盤のこの時はそれでも夕刻には二組のカップルができていた。

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 今回は残念ながらウラキンシジミには会えなかった。
それでも「梅雨時の妖精」達に会え、満足のいく帰路だった。

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by photo-etudes-eiji | 2018-06-26 17:00 | | Comments(0)