キマダラルリツバメ

 日本には約七十種ほどのシジミチョウがいるそうだが、その中で僕が一番美しいと思うのはキマダラルリツバメだ。
今年も鳥友と日程を合わせて、奥会津に会いに行ってきた。
早めに「雪国茶屋」に到着して、チョウセンアカシジミを撮り信州の鳥友と合流。
「雪国茶屋」御主人で蝶類研究50年という角田さんが、昨年僕らがインタビューされたローカル放送の番組を録画していてくれてみんなで見せてもらった。
15時を過ぎて登場するキマダラルリツバメに出会うべく、桐畑のフィールドに向かい探すと10頭近くの美麗な個体に出会えた。
上から三枚は裏翅の模様から別々の個体だと解るだろう。
 キマダラルリツバメ (黄斑瑠璃燕 The Japanese Silverlines)


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 環境省レッドリスト2007年版では「準絶滅危惧種」。
キマダラルリツバメは、表翅の明るい瑠璃色と肛角部の橙斑も裏翅の斑紋に橙斑も両方が衆人を引きつける美しさだと思う。
そして、日本のシジミチョウの中で唯一キマダラルリツバメのみが2対4本の尾状突起を持っている。
この点も英名に「Japanese 」と付けた、一因では無いだろうか。
 
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 下側から覗けば、まるで優雅に飛んでいるような感じだが、キマダラルリツバメの飛翔は速くヒラヒラと舞うなどというものではなくヒュンといってしまう。

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 しかも、じっと止まって美しい表翅を見せてくれていたかと思えば、他の♂が現れるやテリトリー占有活動で追い払うために二頭が舞う卍飛翔が始まる。
まるで二頭がらせんを描くかのようにクルクルと舞い上がる。
動画でとればイイのだろうが、ピントが難しい。


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 キマダラルリツバメは、卵から孵化すると幼虫は自分で這って樹上にあるハリブトシリアゲアリの巣に入り、幼虫での越冬をへて蛹化まで育ててもらうという。
『ハリブトシリアゲアリの巣の中で暮らすキマダラルリツバメの幼虫は、アリから口移しによってエサをもらいますが、自らアリが集めたエサに齧りつくこともあります。
チョウは羽化するとアリから攻撃されるため大急ぎで巣から脱出しなければいけません。
そのとき、アリの注意を逸らすために羽の後ろには長い毛のようなものが生えています。
また、万が一体に攻撃されてもダメージを最小限に抑えるため、体にはたくさんの毛が生えているのです。 』 「 AntRoom」より


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 『ムラサキシジミ、イワカワシジミ、ヤマトシジミなどの幼虫は、植物を食べて生活をしていて、蜜でアリを呼ぶ事で他の外敵から身を守ってもらう程度で、それほどアリとの関係は深くはなく、集まってくるアリの種類も様々です。
しかし中にはクロシジミ、キマダラルリツバメ、ゴマシジミのように特定のアリの巣で生活をして、アリがいないと生きて行けないような種類もいます。』 「 AntRoom」より
 そんな鳥類での「托卵」のような、育ての親というものがいるチョウというのも驚きの生態だ。


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 ついでに「 AntRoom」という、アリ専門のHPによれば・・・
『一般的なアリのコロニー(家族)は、女王(母)を中心とした働きアリ(娘)達により構成されて、巣の中で産卵できるのは女王アリだけです。
雄アリには羽があり、繁殖期にだけ現れ、交尾をすると死んでしまいます。
そのため、普段私たちが目にするアリはすべてが雌なのです!!』


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 美しさと驚きの生態のキマダラルリツバメは、この日新鮮な♂個体がたくさん出てくれたがメスの姿は確認できなかった。

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 昨年は撮影できた交尾場面も当然に無しだったが、これだけ新鮮な個体に出会えれば十二分に楽しむことができた。


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 また来年も会いにこよう!
「雪国茶屋」のご夫妻に挨拶して、奥会津をあとにした。


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by photo-etudes-eiji | 2018-06-25 06:00 | Comments(0)