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アカシジミ 

 野鳥でも蝶類でも先輩である方が、前日に三頭発生していたというポイントに、早朝行ってみた。
「06時では早すぎるだろう。日が昇って気温がある程度上がらないとでてこないかも・・・。」
そう思いながら車を降り周辺の木々を眺めると、赤味を帯びたオレンジ色が眼に入った。
ニセアカシアの葉にいたのは、シジミチョウ科ミドリシジミ亜科のアカシジミだ!
 アカシジミ(赤小灰蝶 Japonica lutea)

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 地上三メートルほどの高さの梢の先だったがバックに朝の青空がボケに入り、もう少しで日射しが射すというイイ感じの場所だった。
しばらく眺めていると、ヒラヒラと目の前の下草に降りてくれた。
こんなチャンスはそう有るものではないと、さんざんシャッターを切った。

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 他の種のシジミチョウもいないかとさらに車を走らせ、一昨年エゾミドリシジミやジョウザンミドリシジミを見たポイントに行くとまたもアカシジミが!
さらに、同じ時の夕刻にアカシジミの集団卍飛翔を見たポイントに移動すると、ここでもニセアカシアの葉のなかに一頭を発見した。
どれもスレや欠損のない綺麗な個体だった。
ほんの20mほどを歩けば、またもアカシジミが路肩に落ちている。

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 吸水を終えたのだろうか?とことこと歩いている。
目の前には昨年も摘まんだ桑の実が!
これは乗ってもらいたいものだと指を差し出せば、よちよちと僕の指先に!
桑の葉先に付けると・・・乗ってくれた!
野鳥でヤラセはしないけれど・・・イイかなぁ???

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 レンズを105mmマクロに換えて、フルサイズで接写だ。
向こう側はガケだけれど、ここはガードレールがあるから安心。
他の大型チョウやタテハチョウ科などは、少し目の感じが恐めだがシジミチョウは眼が可愛い。
顔つきも愛くるしい。
眼から翅・尾状突起までピントが来るように、真横になってくれるのを待った。

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 スイカズラ(吸葛・忍冬)が、甘い香りを放っている。
何とかバックにと狙っていたら、アカシジミが葉裏に廻ってくれた!
 
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 7・8メートルほど離れた場所では、ヒメウツギの花が満開に。
タニウツギのピンクも綺麗だが、アカシジミにはこちらの方がよく似合う。

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 この花での吸蜜は、見ていた限りでは、していなかった。
たまたま発生し羽化したミズナラやコナラの木のそばにあったから、飛んできただけなのかもしれない。

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 ふたたび最初の場所に戻ると、そこにもここにもアカシジミが葉先に上っている。
十数頭が一斉に羽化して、一斉に下草に上ってきたということなのか!
羽化直後に上翅の一部を欠損した個体もいたが、みな新鮮で美しい。

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 そこに発生した全ての個体をレンズに収めた、と言っても過言ではないくらいに撮りまくった。
二時間近く撮りまくったころ、アカシジミは一頭二頭と梢に飛んでいった。

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 青森県だったか・・・アカシジミが数千から万の単位で大発生したという記事を読んだことがある。
その場に出会った感動に比べればなんということはないが、僕には感動の光景・感動の体験だった。
後日談がある。
その日、夕方に出向いた知人は一頭も会えず、翌朝はやっと一頭出会っただけだとか。
沢筋に移動したのだろうか?何故なのか、僕にはよくわからない。


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by photo-etudes-eiji | 2018-06-08 22:13 |