白馬逍遥・・・青鬼棚田 ②

 5月21日早朝04:00。
視界の中で動くのは梢の天辺で元気よくさえずるホオジロと、ゆったりと動く白馬の町の雲海だけ。
田植えを終えた水田の水鏡さえ時折揺らぐ程度。
水路の流れだけが静寂の中にゴウゴウと音を立てる。
白馬村青鬼集落の棚田は、静かに夜明けの北アルプスを写していた。

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 朝陽がさせば、北アルプス=爺ヶ岳から鹿島槍・五竜・唐松・不帰ノ嶮・白馬三山と続く山並みがモルゲンロートに染まる。
今日は難しそうだが、それほどの落胆もない。
雲海があるうえに、何より残雪の山並みが見渡せる。
木々の緑はグラデーションを見せ、路傍のムラサキツメクサが残雪を彩る。
「羊蹄=ギシギシ」だろうか?
ムラサキツメクサの脇からスッと伸びて、「あれが五竜岳だよ!」と指差している。

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 青鬼棚田の道を歩けば、黒部側の薄い雲も消えていき青空が広がりだしてきた。
右奥杉の稜線に、右から杓子岳(2812m)白馬鑓ヶ岳(2903m)がクッキリと見える。

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 ひとしきり鳴いていたアカショウビンの声が、北に消えていった。
鬼無里から戸隠の方に高度を上げていったのだろう。


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 白馬の平野にかかった雲海がゆっくりと消えていく。
黒部の空も青みが広がってきた。
かつては、ここも水田だったのだろうか?
棚田を耕作し維持していくのは、今の時代になかなか困難なことだ。
青鬼堰(せぎ)も、ボランティアの協力を得て堰さらい・補修などがおこなわれ、水路が維持されていると読んだことがある。

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 定番のポイントで棚田の北アルプスの水鏡を狙う。
風景写真を撮り出すと、畦の雑草が伸びすぎだとか電柱が・・・などという声を聞くことがある。
完璧を求めたいなら、最高の気象条件・農家の作業予定などいろいろな条件がピッタリと合わなければならない。
縛られた条件の中で、その時最高の瞬間を撮れれば僕の写真はそれで良い。
エチュード=習作をつづける。

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 蝶を撮るときぐらいしかまじまじとは見ないハルジオン(春紫苑)も、ここでは対角線にいいアクセントかもしれない。
上空の風が雲を消していってくれる。
五月の爽やかな風が、頬に心地よい。

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 左に双耳峰の鹿島槍ヶ岳(2889m)、中央の五竜岳(2814m)、右のピークは八方尾根と唐松岳(2696m)。
白いピークは丸山ケルンあたりで、黒く見える方が唐松かと思うが自信はない。
双耳峰の鹿島槍もここからは双耳には見えない。
白馬のジャンプ台がクッキリと見えだした。
 
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 黒部側の雲も左端の布引山あたりだけになった。 
「アァ、綺麗だなぁ~!」
ため息ばかりだ。

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 白馬村青鬼集落は伝記の郷。
かつては茅葺きの兜造りの家屋も、今は鉄板で覆われている。
しかし、青鬼神社やお善鬼の館・水力米搗き装置の「ガッタリ」・道祖神などゆったりと散策・見学ができる。
ちらほらと観光客も来だしたので、しずかにあとにした。
③は周辺の光景を。

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by photo-etudes-eiji | 2018-05-25 12:00 | 風景 | Comments(0)