ムギマキ・・・マユミの夢・その1

 紅葉が稜線を下りて来ると、ムギマキの季節だ。
ムギマキ!なんと素晴らしい命名だろうか。
麦を撒く時期が来たことを教えてくれる鳥。
 オランダ人医師シーボルトが日本から持ち帰った標本を、分類類学者デミングが「mugimaki」を使って命名したのだそうだ。
ミレーやゴッホの「種まく人」の絵が浮かんでくる。
 高い梢から低木に下りて様子見しては、マユミの実を食べに来た。
 ムギマキ(麦播 英名Mugimaki Flycatcher )

e0365355_23434908.jpg


 ムギマキといえば、ツルマサキかミズキの実。
しかし、マユミの実を食べるということは、以前から旧「Nikonデジタルネット」の関係の方に教えてもらっていた。
「マユミが原」なんて所もあるから、そこに来ないものかと思ったりもしていた。
それをやっと撮れたのは数年前だったが、あまり満足のいくものではなかった。
今回やっと、「マユミ・ムギマキ」の夢のような時間を過ごすことができた。

e0365355_23434932.jpg

 ムギマキは、ロシア・バイカルからウスリーやアムール川流域・サハリン・中国北東部などのエゾマツやトドマツの針葉樹林で繁殖 。
中国南部からマレー半島・フィリピン・ボルネオ島北部・インドネシアなどで越冬する。
日本にはその途中、数少ない旅鳥として渡ってくる。
ただ、春の渡りと秋の渡りではルートが違うらしく、僕にとっては秋のムギマキだ。

e0365355_23435014.jpg


 キビタキに似るが、キビタキは広葉樹林に住み、ムギマキは針葉樹林に住むそうで、巣も洞穴性のキビタキに対して幹に近い枝の所に椀形巣を作る違いがあるそうだ。
繁殖地では昆虫食で、飛んでいる虫をフライングキャッチするという。
その片鱗をマユミの実でも見せてくれた。

e0365355_23435030.jpg


 マユミの実は蒴果(一つの果実が複数の癒着した袋状果皮から成るもの)で、マユミの果実は4裂し種子は4個。
コマユミの果実は裂開し種子は1~2個、ツリバナの果実は5裂し種子は5個あるそうだ。

e0365355_23434815.jpg


 ウーン、それにしても素早い!
なかなかピントがとれない!
ムギマキに笑われっぱなしだ。

e0365355_23434906.jpg


  マユミ(檀、真弓、檀弓)は、材質が強い上によくしなる為、古来より弓の材料や印材として使われたそう。
種子の脂肪油には、毒性があり吐き気や下痢・運動障害を起こすそうだ。
ムギマキには、その毒性を無害化しエネルギーに変える力があるということだ。

e0365355_23435018.jpg


 雄の成鳥の姿がなかなか見えない。
スッと下りてマユミの枝を揺らし、黒い姿を一瞬見せる。
被りまくって悔しい思いが続く。
 ムギマキ 雄成鳥(麦播 英名Mugimaki Flycatcher )

e0365355_23434723.jpg


 マユミの桃色の実とムギマキの夢のようなコラボに感動しつつも、贅沢な夢想をする。
もっと良いところに、もっとスッキリした枝にでてくれないものか!

e0365355_23434818.jpg



 その願いはやがて叶えられたのだが、うれしいことに現像がそこまでいかない!
2日間、まるまるマユミムギマキの幸せな時間だった。
その2へ続く。


e0365355_23434767.jpg




 









[PR]
by photo-etudes-eiji | 2017-10-27 06:48 | 野鳥