森の妖精 ヤイロチョウ・・・無事巣立つ!

 「大変なことが起きた!ヤイロチョウの巣を見つけてしまった!」
午後の一報を受けた鳥友とヤイロチョウに会いに行ったのは、もう一月も前のことだった。
翌日の習志野高校吹奏楽部定期演奏会のチケットが、無駄になってしまうなどということは頭から消えてしまって、深夜の高速を走った。
現地では、発見者のYさんが親切丁寧にポイントを説明してくれて、なんの苦労もなくヤイロチョウを撮れてしまった。
  ヤイロチョウ(八色鳥 学名 Pitta nympha 英名 Fairy pitta)

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 ヤイロチョウは学名 Pitta nympha。
Pittaはインド南部の言葉で小鳥、nymphaはギリシャ神話などに出てくる下級女神=精霊。
英名Fairy では妖精。
頭頂部の黒から茶色・クリーム色・白・赤・肌色・コバルトブルーに緑青色で八色と数えもできるが、ここはやはり八=たくさんの色ということだろう。
日本には夏鳥として中国南部やボルネオなどからやってきて、9/10月には帰って行く。

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 ヤイロチョウは盛んに巣材を運んでいた。
それは落ちた小枝を中心に、産座用の枯れ葉や苔だった。
台湾や高知での巣に比べて、作り方が雑な感じを受けたがそれは巣材の違いもあるのかもしれない。
それでもドーム型にだんだんなっていった。

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 ヤイロチョウの尾羽は短い。
学名か、Pitta brachyuraとも表記されているが、ブラキウラとは尾が短いということだそう。

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 ヤイロチョウの脚は、長くしっかりとしている。
その生態を調べた論文によれば、育雛期のつがいの行動は地上0mで55%・0~2mで40%をしめるという。
二脚をそろえて立ち幅跳びのようにピョンピョンと跳んでは、巣材を集めていた。

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 梢に止まって何度も鳴いてくれるのも期待していたが、その時期は過ぎたようだった。
巣作り2日目か3日目のこの日も、鳴き声が聞こえたのは朝一と午後の三度ほど。
ピッフィーピッフィーと2音続けて大きな声で鳴くのは、飛来当初の2週間くらいで、ヤイロチョウは営巣期にはあまり鳴かない。
数少なかったその鳴き声を動画にいれることができたのは、うれしいことだった。

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 「あの枯れ葉は良い敷物になる」とでも考えているのか?
このあと、左の枯れ葉を根元から折っては切り離して巣に運んでいった。

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 一月ほどたって再び行った現地は、巣穴から雛が三羽顔を出していた。
黒い羽毛に白い眉斑が出て、餌をねだる嘴もしっかりとしていた。
心なしか頭頂部に茶色味を感じたが、それは錯覚だろう。
巣立って数日もすれば、親鳥のような色になるようだが。

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 給餌は見た限りでは順番に、必ず三羽におこなっていた。
大きく開けたそれぞれの嘴の中を確かめるように時間をおいてから、一羽ずつ口の中に押し込んでいた。
雛はまだ、一気に飲み込むことはできないのか、喉の蠕動運動で胃に送るかのような印象を受けた。
しかしその食欲は旺盛で、確か高知県での調査では一日に1羽が80匹のミミズを食べたそうだ。

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 親鳥はせっせと餌を運ぶ。
それはほぼミミズのようで、まれにムカデがまじっていた。
何匹ものミミズを咥え、さらに新しい獲物を見つけたときなどは一端咥えた獲物を地上に並べ新しい獲物とそろえて咥え直すそうだ。
巣での給餌では脇にミミズを置いて、ひとつずつ咥えて雛に与えてもいた。
枝止まりの瞬間に、一匹を枝に落とし咥え直す光景も見られた。

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 飛翔時の翼の白斑にはビックリさせられた。
ヤツガシラのようでも有り、ブッポウソウのようでも有り・・・。
この飛んだときにだけ見える白斑も、地上にいる相方に自分を認識させる目当てになっているのだろうか?

普通尾羽は空中での舵取りやブレーキングなどの重要な役割を持っているが、地上生活の比率が高いヤイロチョウでは長い尾羽は邪魔になるのだろう。
この枝へのブレーキングでは、尾羽はそう開いた感じがしないのも特徴的なのかもしれない。

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 そして給餌が済むと親鳥は巣穴に頭を突っ込み、雛一羽から糞を咥えとって巣外に運び去っていく。
サンコウチョウなどと同じように、臭いからヘビやイタチなどの天敵に雛の存在を悟られないようにするためだろう。
数少ないチャンスに、飛翔の場面を撮ることができた。

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 ヤイロチョウは、推定で日本には100羽から150羽(環境省2002年)という絶滅危惧種。
そのヤイロチョウがなんとか抱卵~育雛を経て、7月13日午前10時頃無事に4羽とも巣だったと連絡が入った。
今回、YさんとHさんのおかげで貴重な体験をさせていただいた。
 巣の雛に給餌に入るヤイロチョウ。
雛が嘴を広げて待っている。

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 とりわけYさん始め多くの方が、ヤイロチョウが無事に巣立つよう現場カメラマンの整理や駐車場対策・密猟対策など多大な苦労をされていた。
無事に巣立って、ホントウによかった!
ヤイロチョウにはおめでとう!
皆さんにはご苦労様でした!ありがとうございました!









 








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Commented by nenemu8921 at 2017-07-14 14:34
すごいなあ。翼を広げた写真は初めて見ました。
本物は見たことがありません。
興奮したでしょう。
撮影しにくい場所のようですね。
ヒナが口をあけて、給餌を受ける様子はツバメみたいで可愛いね。
深夜の高速を走るお気持ち、よくわかります。
Commented by photo-etudes-eiji at 2017-07-15 08:07
 nenemu8921さん、こんにちは。
『巣立つまでネット公開はやめて見守って欲しい』という発見者や地元の方々の気持ちに賛同して、寝かせてきました。
ヤイロチョウは「幻の鳥」といわれるくらい探し当てるのが難しく、これまでも何度か話が出ていました。
そのたびに、「大騒動になっているから行かないでいい」としてきたのですが・・・。
今回は発見の翌日だったので、ジックリ静かに観察できました。


Commented by superkabi2009 at 2017-07-15 22:22 x
今晩は。先日、傍で54を一脚で撮ってたものです。台湾に行かなくて日本で見れたのは幸運でした。
立ち寄って良かったです。でも、こうして拝見すると、今度は餌を持っていない絵が撮りたいとい
う欲望に駆られてます。
Commented by photo-etudes-eiji at 2017-07-16 19:20
> superkabi2009さん
 ヤイロチョウは静岡・神奈川・房総にも来ているのですが、ヒルもいる深い森。
なかなか探せませんから、撮れただけで満足しなければならないでしょうね。
今回は、発見者が精通していていろいろ対策をしていただけたので、営巣放棄など悲惨なことにならないで済みましたが・・・。
戸隠のアカショウビンのように、先々は心配ですね。
by photo-etudes-eiji | 2017-07-14 19:23 | 野鳥 | Comments(4)