人気ブログランキング | 話題のタグを見る

コマドリの危機-野生化したミンク

 コマドリを探して渓流をゆくと、突然岩陰に動く黒い影が!
どうしてだか、背筋にザワザワッとした恐怖感を覚えた。
テン?オコジョ?イタチ?そのどれとも違う、見たこともない小動物が動き水中を潜り・・・。
カワウソ?イヤそれは絶滅したはず・・・。
撮った画像を、野鳥の会の先輩に送り見てもらうと・・・。
「アメリカミンクではないか」との返信が。
国立環境研究所によれば、1928年に4頭輸入され、1960年代中ごろ野生化個体定着。
北海道や福島・宮城・群馬・長野千曲市などで、生態系に関わる被害 をもたらしたという。
 野生化したアメリカミンク

コマドリの危機-野生化したミンク_e0365355_20572617.jpg

 咥えて居るのはニジマス?ヤマメ?それともイワナ?
濡れた体毛が不気味だった。正体をとじっと狙った。
顔つきにどう猛さを感じた。
 アメリカミンクは生態系に関わる被害 として、哺乳類、鳥類、甲殻類など様々な生物を捕食する。
水鳥などに対して特に強い捕食の影響があると指摘されている。(国立環境研究所)

 アメリカミンク



 
コマドリの危機-野生化したミンク_e0365355_20572625.jpg

 三年前、ここでオコジョに出会った。
オコジョもまた、食性は主に動物食で鳥類を襲いライチョウを捕食することがある。
 ホンドオコジョ

コマドリの危機-野生化したミンク_e0365355_20572875.jpg

 この時のオコジョの行動は、岩に付いた臭いで獲物を探しているかのようだった。
コマドリが、採餌にピョンピョンと飛び移った場所だった。

コマドリの危機-野生化したミンク_e0365355_20572814.jpg

 オコジョは確か、志賀高原では「山の妖精」と呼ばれて親しまれマスコットになっていたような?

コマドリの危機-野生化したミンク_e0365355_20572724.jpg

 しかし、こうした在来種であるオコジョは、外来種ミンクの拡散で生存競争の劣勢に立たされて個体数が減少しているという。
ミンクの勢力がこの地域まで広がりだしているのだろうか?
コマドリの営巣地が危ない!
 ホンドオコジョ 準絶滅危惧種

コマドリの危機-野生化したミンク_e0365355_20572772.jpg

 テンもまた、昨年出会った。
コマドリの声があちこちで聞こえる谷に潜んでいると、突然目の前にテンが!
こちらも慌てたが、テンはもっと慌ててすっ飛んで逃げていった。
写真は、サンコウチョウの鳴く別の場所で撮ったもの。
 ホンドテン 夏毛

コマドリの危機-野生化したミンク_e0365355_20572596.jpg

 ホンドテンの食性は雑食性で、動物質のものはネズミやリス、鳥、爬虫類、両生類、昆虫類を食べる。
谷で出会った個体は、どうやらコマドリやクロジやマミジロ等々の巣や卵などを探していたのかもしれない。
 ホンドテン

コマドリの危機-野生化したミンク_e0365355_20572681.jpg

 自然界で弱肉強食の食物連鎖の中にいるのだから、コマドリが襲われるのは仕方のないことだ。
しかし問題は大自然の中に、ミルワームなどを持ち込み野鳥を餌付けし苔を貼り付けたお立ち台をつくってヤラセ撮影する野鳥カメラマンだ。
そうした人たちを避けて撮影しているが、「密猟された」「営巣放棄になった」などと聞く度にいやな気分になる。
「出っぱなし」「フレンドリーな」などと書かれた、コマドリやマミジロやクロツグミ・・・おかしいでしょう。
 
 こちらは濡れ衣かな?
コマドリの声についていったら、影が空気を裂いて木の幹に!
モモンガ!
稜線の山小屋の餌台に夜間くるモモンガを見たのは、硫黄岳に向かう峠の小屋。
西からのルートで出会えるとは!とうれしかったものだ。
モモンガの食性は植物食で、木の葉、芽、果実、種子、樹皮などを食べるという。
しかし、飼育下で『「ミルワーム」なんかがお手頃で喜んで食べるようです。』とあったのが気に掛かる。
 モモンガ  「摸摸具和」

コマドリの危機-野生化したミンク_e0365355_20572557.jpg

 モモンガもかわいいから濡れ衣だったら良いのだけれど・・・。
 モモンガ  「摸摸具和」

コマドリの危機-野生化したミンク_e0365355_20572434.jpg






 


by photo-etudes-eiji | 2017-05-06 22:28 | 野鳥