日本産イスカの観察-② イスカ雌の抱卵斑

 マイナス13°・マイナス9°、といった山の朝。
霧氷や着雪、雨氷という0℃以下でも凍らない過冷却状態の雨が降って着氷したり、吹雪に枝ごと煽られたり・・・。
そんな厳しい環境で、イスカは営巣・育雛し巣立っていく。
街の生活にどっぷりと浸かった身には、霧氷の朝の美しさにため息が漏れる。

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 着雪した幹の先端に、イスカの幼鳥と雌がやってきた。
右上の個体は黄色味が良く出ているが、まだ幼鳥の特徴である縦斑がある。
左が雌。

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 求愛から巣立ち後一ヶ月くらいは、いつも仲良くカップルでいる。
雌が雄を甘い声で呼んだり、給餌を受けたり・・・。
 
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 この時期は割と雌が上に止まることが多いような気がするのは、勝手な判断かも・・・。
こんな光景を見ているのは、零下の厳しさの中でも微笑ましく温かい気持ちになる。

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 目の前の木に、イスカ雌が下りてきた。

 
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 留まり木を移ると、なにか姿形がおかしい。
鳩胸?卵を抱えている???

 
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 それは、抱卵斑のせいだった。 
抱卵斑は産卵期の直前または産卵中から始まり、抱卵期に徐々に発達して雛が孵化する頃には退化して色も淡くなるそうだ。
おなかの羽毛が抜け落ち、皮膚が赤く裸出し厚くなった皮膚には多くの血管が集まり、卵を暖めるため高温となるという。
零下の中で、自らの身を削って子育てする。


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 身震いする感動に、背筋が凍るようだった。
すっぽりとクレーターのように綿羽が抜けている。
風がやみ、穏やかな午後の日射しがイスカのお母さんに。
暖かさに気を許したような横顔が、少しホッとした気分にさせてくれた。

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 もう、とっくに雛たちは無事に巣立ったことだろう。
今頃は場所を移して、お父さんと巣立ち雛を引き連れて飛び回っているのだろう。
野鳥の寿命はそう長くはない。
成鳥の生態的寿命は、一説によればヒバリで2.5年、シジュウカラで1.4年というし、
巣立ち雛の翌年生存率は、ヨーロッパのシジュウカラの例では13%という。
細々と命をつないでいる日本産イスカ。
その環境が守られ、無事に長生きしてくれることを祈るばかりだ。
  



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Commented by isa-isabird at 2017-03-11 23:00
photoーeijiさんの味が出てきましたね〜〜
今期ある観察と下調べ、しっかりと絵にも
注力してますよね。他にないblogを作り上
げた感じです。この深みを私も見習わねば
いけないな、、、、と。
Commented by photo-etudes-eiji at 2017-03-14 23:36
  isa-isabird さん、今晩は。
人混みの中でおしゃべりしながら・・・、というのも嫌いではないのですが・・・。
気になった鳥は最初から最後までという感じで、追いかけてみようと思っています。
絵にするのは・・・見習ってはいるんですが、難しいですね。
今後もご指導を!
by photo-etudes-eiji | 2017-03-10 22:08 | 野鳥 | Comments(2)