ヤマガラは、日本と朝鮮半島、中国・台湾にしかいない留鳥または漂鳥。
エゴノキなどの樹木の実を、樹皮の隙間や土の中などに隠して貯食する習性があり、樹木の種子散布に大きく貢献している野鳥。
春が近づいてきた2月の下旬に、一輪二輪と咲き始めたウグイスカグラに最初にやって来た。
何をするのかじっくり観察していると、星形の花の付け根部分を咬み・・・。
飛び去ってから、その部分を確かめると花柄部分に咬み痕があった。
何度か見ていると、どうやらその部分からウグイスカグラの花蜜を舐めているようだった。
花蜜の味を確かめてみたが、実と同じくほんのりと甘かった。

 ヤマガラ(山雀 Varied tit)

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 いろいろな木々の芽吹きが盛んになるこの時季は、貯食だけに頼らぬ食生活?になってきているのだろう。
 ヤマガラは晩秋に盛んに貯食するが、「貯食した場所を忘れてしまわないのか?」と話題になったが、「98%とほぼ全て記憶していることが分かった」という研究があった。


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 三月も中旬にはいると、ウグイスカグラは満開に。
ヤマガラやシジュウカラ・メジロとやって来ては採餌していく。
はじめの頃は、新芽の柔らかな葉や花が食べられた食痕が目についた。

この頃になると、採餌の中心はどうやら芽吹きのなかに育ちはじめたガなどの幼虫。


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 「ツ-ツ-ピィー、ツツピー」と良く鳴き、しばらくウグイスカグラで採餌していくが、
ヤマガラのツガイの愛情は深く、どちらかが死ぬまで連れ添うというが、ペアが来ている感じはなかった。

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 ウグイスカグラのピンクの星と芽吹きの緑に、しがみついた小鳥の姿は春そのもの。
なかなか絵になる場所におさまってくれないのが、何ともじれったい。

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 ウグイスの谷渡りとはよく言うが、ウグイスカグラの枝から枝へヤマガラの谷渡りだ。

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 シジュウカラもよく来てくれた。
シジュウカラも留鳥または漂鳥で、オスは喉から下尾筒にかけての黒い縦線が、メスと比較してより太い。

英語名のgreat tit は、シジュウカラ科の小鳥=titで、greatは主要なとか科の中では大きいことからといった意味だろう。
 シジュウカラ(四十雀 great tit )

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シジュウカラはなかなかに賢い鳥のようで、『仲間を呼ぶときは「ヂヂヂヂ」と鳴き,警戒を促す時は「ピーツピ」と発します。そして,天敵のヘビ(アオダイショウ)をみつけると「ジャージャージャー…」。
 「ジャージャー」と聞こえる声は,ヘビ以外の天敵には決して発されることがないので,ヘビを示す単語であるかもしれません。 総合研究大学院大学 鈴木俊貴博士』という。
でもこの時は、普通のさえずりで「ツピーツピー」

 シジュウカラ(四十雀 great tit )

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 シジュウカラも、ヤマガラ同様に新芽やそこに育った幼虫などを食べていた。

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 シジュウカラ1羽が1年間に食べる虫の量をガの幼虫に換算すると、12万5千匹になるという古いドイツでの研究があるそうだが、一日に350匹とは凄いものだ。


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 なんとなくだが、シジュウカラの方が比較的良いところに出てきて撮らせてくれた。


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# by photo-etudes-eiji | 2019-03-19 05:00 | 野鳥 | Comments(0)

ウグイスカグラとメジロ

 ウグイスが初鳴きをはじめる頃、落葉した枝に星型をした細長い桃色の花が釣り下がって咲くウグイスカグラ(鶯神楽)。

日本固有種の可愛らしい花だ。

名前の由来はいくつかあるようだ。

①小枝が多くウグイスが隠れるのに都合がよいことから、「ウグイス隠れ」が転じた説。

②ウグイスが初鳴きする頃咲き出すから。

③夏に赤い実を付け、それを食べるウグイスが小枝の上下左右に飛び移る様を神楽の舞に喩えたもの説。

④「ウグイス狩り座(くら)」で、小鳥を捕らえるくらいによく繁ることから。

どれももっともな感じだが、ウグイス隠れ説と神楽舞台説が僕にはしっくりとくる。

 2月の下旬、つぼみがほんのりと薄紅色に染まりだし一輪二輪と星が咲き始めた。

 ウグイスカグラ 鶯神楽


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 ウグイスカグラは茎から花まで無毛だが、他に、葉柄や花柄に毛のある「ヤマウグイスカグラ」・若枝から葉柄や花にも腺毛がある「ミヤマウグイスカグラ」とある。

花柄には蜜があって、ほんのりと甘い。

昨夏、ムモンアカシジミという小さな蝶を撮りにいった時に、信州の野鳥の先輩に教えられ実を食べてみたが酸味は無くほのかに甘く美味しかった。

調べてみたら、同じスイカズラ科の「ハスカップ」は別名を「クロノミウグイスカグラ」というそうで、なるほどそんな甘さだったと納得した。


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 ウグイスカグラにウグイスが来れば良いのだけれど、春のこの時季の植えられている周辺状況では可能性もゼロに近い。

そのかわりに、いろいろな野鳥が開花がすすむとやってくるようになる。

メジロが水浴びがてら、ウグイスカグラにやってきた。

しかし、「ウグイス隠れ」の名の通りで絵になる枝にはなかなか乗ってくれなかった。

メジロはこの時季、梅や早咲き桜の花蜜が豊富なのでウグイスカグラは箸休め程度なのだろう。


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 メジロがここに来るメインは、水浴び。

キクイタダキの水浴びに比べ、「ウォリャー」とでも雄叫びを上げるかのように盛大に水しぶきを上げる。


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 この二羽はペアになっている。

撮れはしなかったが、「相互羽繕い」をしていた。

おたがいが相手の羽繕いをするのは鳥の求愛行動の1つで、相互羽づくろいの頻度と寄生虫の数について調べたユタ大学Villaさんグループの研究では、相互羽づくろいの頻度が高いほど寄生虫の数が少なかったそうだ。


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# by photo-etudes-eiji | 2019-03-18 05:00 | 野鳥 | Comments(0)

 鳥友から、フクロウやオオタカの風切り羽をもらった。

もったいないから、その羽の羽弁を裂いて確かめることはできないが、鳥は裂けてしまっても羽繕いによって羽弁を整えて元通りにすることが出来るそうだ。

冬の極寒の日に、プックラと丸く膨らんだ小鳥達を見ることがあるが、それは羽毛の間に空気の層をつくって体温を守るためだ。

羽繕いは飛ぶためにも、清潔や健康のためにも重要なことで、一日に計2時間近く費やすという。

キクイタダキが、松の葉先から僕の真横を飛んで水場に!

 キクイタダキ(菊戴 Goldcrest


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 水場の深さを見て、こちらからはやめたようだ。


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 別の枝に移って、水場の深さを確かめる。


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 水場に下りると頭から水を浴び、尾羽や翼でかわいくバシャバシャと・・・。

頭を水に付けることは、頭掻きと同様に頭部に着いたダニや汚れなどを落とすために大事なこと。


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 水浴びを終えると、枝でまずは水切り。


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 同じ枝の時もあれば、場所を変えてする時もあるが、今度はジックリと羽繕い。


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 クチバシもしっかり磨く。


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 必ずするのが、尾羽の付け根の尾脂腺から出る蝋質の分泌物で羽を整えること。

防水・撥水性能は生死に関わることだろうから。


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 一通り済ますと、キクイタダキは高木に移って消えていった。


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# by photo-etudes-eiji | 2019-03-17 05:00 | 野鳥 | Comments(0)

 鳥の王様=キクイタダキの水浴びは、その体の小ささから豪快な水しぶきというものではない。

この日に狙ったのは、羽繕い(はづくろい)の時のグルグル。

うまくいけば、星の比較明合成のようなシンはぶれずにすべてがグルグルの菊の花が咲くはずだったが・・・。

なかなかうまくはいかなかった。

 水浴びから近くの梢に飛び移ったキクイタダキが、まずは体をブルブルとして水滴を飛ばし始めた。

 キクイタダキ(菊戴 Goldcrest


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 そうした後、少し動いてしっかりと羽繕いだ。

鳥は空を飛ぶためにも、体温を保つためにも羽毛の手入れは欠かせない。


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 尾羽をひろげて、首をねじ曲げ・・・そこに尾脂腺があるのだろう。



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# by photo-etudes-eiji | 2019-03-16 17:00 | 野鳥 | Comments(0)

 キクイタダキが水場に下りた。

そこはかつて植物園だった頃作られた小さな雨水溜で、今は使われずにもっぱら野鳥の水浴び場になっているところ。

冬場の水浴びだから頻繁にというわけではないが、運が良いときにだけ出会えた。

 キクイタダキ(菊戴 Goldcrest


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 キクイタダキに限らず、多くの野鳥は羽毛の間にたまった脂粉やほこりなどの汚れ・ダニなどの寄生虫を落とすために水浴びや砂浴びをする。

小豆くらいの大きさになったダニをつけたベニマシコを撮ったことがあるが、それは自然に落ちるというような話を先輩に聞いたことがある。

そんな予防と、新たな羽毛がそだつためには未成熟な羽毛を包んでいた脂粉がたまるので、それを落とすということらしい。


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 カラスは水浴びを、キジやヒバリは砂浴びをし、スズメは両方を行う。

室堂のライチョウの砂浴びは撮ったことがあるが、水浴びは見たことがない。

大瑠璃やジョウビタキの水浴びは撮っていても、砂浴びは見たことがない。

種によってそんな違いがあるようだ。


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 それにしてもいかに野鳥の体温が高いとはいえ、冬場のキクイタダキは冷たい水浴びで寒くはないのだろうか?

そんな疑問が浮かぶ。

どうやら、頻度を少なくしたり早めに水をはじき飛ばすなどで調整しているそうだ。



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 そうそう、カケスでは“蟻浴(ぎよく)”という方法で、アリの分泌する蟻酸(ぎさん)を利用して寄生虫を駆除しているという場面を撮った自然番組も有った。

キクイタダキの水浴びを待ちながら、いろいろなことを考えた。



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# by photo-etudes-eiji | 2019-03-15 06:00 | 野鳥 | Comments(0)