ベニヒワ

 桜が咲いて、冬鳥たちは北に帰る時期。
今期なかなか行けなかった、ベニヒワに会いに行った。
早朝に着いた現地は、一晩で20~30cmの積雪。
膝下までズッポリと埋まるフィールドを探し歩く。
するとまもなく、数羽の群れを発見。
雪をかぶったハンノキの枝下にぶら下がっているのは、雌だった。
ベニヒワ(Common redpoll)♀

e0365355_19594530.jpg

 実をついばんで中から種を探し出すから背中は丸くなり、どれが雄やら雌やら判別が難しい。
しかも顔を上げるのは一瞬。
ベニヒワ♀
 
e0365355_19594623.jpg

 そこに、続々と群れが集まってきて!
一目、50羽プラスの数になった。
そこから2時間近く、いきなりラストスパートに近い全力疾走。
といっても走れる訳が無いから、時には膝上まで埋もれる中をゼーゼー息を切らし・・・。
『いい加減どこかに飛んでいってくれて、一休みさせて欲しい!』
と、本気で思うほどに(^^;)

e0365355_19594521.jpg
 
 数がいればいたで苦労するのが、胸の赤い雄探し。
ハンノキの実を、抱きかかえるようについばむから背中ばかり目につく。
あれは違うこれも♀・・・、とにかくチョコマカ動くし・・・いた!
ベニヒワ♂だ。



e0365355_19594286.jpg
 
 天気は曇っていたと思えば雪が降り、やんだと思えば一瞬青空が見え、また曇り雪が舞う。
群れの中の雄を探し、移動すれば息を切らし雪に足を取られながらズッポズッポとついていく。
また飛んだ!

e0365355_19594479.jpg

 雪の積もった幹の近くに、雄が下りた!
あぁ!綺麗だなぁ~!
オオマシコやベニマシコとはまた違って、苺ミルクのかき氷のような鮮やかな透明感もある赤。
しみじみと会えたうれしさがこみ上げてくる。
ベニヒワ♂
 
e0365355_19594400.jpg

 ベニヒワを初めて知ったのは、もう二昔前。
野鳥にたいした興味も持っていなかった頃、全国ネットの写真掲示板で。
初めて撮ったのは、冬の奥日光だった。
以来ここ数年は、毎年どこかで出会えているがなかなかに撮るのが難しい鳥だ。
ベニヒワ♂

e0365355_19594350.jpg
 探し出すのが大変。探せても高い梢の先。
なかなか下の枝に下りてきてくれない。
しかも足元は雪。
道の上なら圧雪してあるからまだ歩けるが、そうで無いところでは・・・!
この日も雪の中で、根に足を取られたのかズッポリと倒れてしまい、三脚を杖代わりにやっと起き上がった。
ベニヒワ♂

e0365355_19594332.jpg

 ベニヒワは、紅色をした「鶸」。
ヒワは弱いと鳥の合字。
小さくても若々しいといった意味があるそうだ。
解らないのは英名。
「Common redpoll」赤い柱には見えないよなぁ~?
 

e0365355_19594241.jpg

 とにもかくにも、雪の林間をヒーヒーゼーゼーいいながらも、うれしい出会いを楽しんだ。
2日間で3000枚近くシャッターを切った。
画像の点検も現像も、まだまだ終わらない。
うれしい悲鳴のベニヒワとの出会いだった。
 額に雪が!
ベニヒワ♂

e0365355_20581940.jpg

 




 




[PR]
# by photo-etudes-eiji | 2017-03-30 21:52 | 野鳥 | Comments(0)

アオゲラ

 ソメイヨシノやサクラソウが開花すると、会いたくなるのがアオゲラだ。
「緑啄木鳥」や「青啄木鳥」と漢字表記される、日本の固有種。
英語名を
Japanese green woodpecker といい、学名には Picus awokera Temminckとアオケラがはいっている。
一昔前、「軽井沢野鳥の森」で数名の欧州からの旅行者に「アオケラ、みませんか?」と聞かれたことがある。
たまたま直前に撮影できていたので、あの辺によく来ると教えてあげて喜ばれた。
その時に初めて、日本の固有種を見に来る外国人がいることを知った。
 
 探し歩いても声がなく、野太いようなドラミングの音も聞こえない。
昨年、出会ったところにもいないし・・・。
と、目の前の幹に飛んで下りてきた鳥。
アオゲラの雄だった。
 アオゲラ(Japanese green woodpecker )雄

e0365355_22013199.jpg


しばらく様子を見ていると、近くの小枝が繁った木に別個体が!
そこに飛んでいった。
なにかヒヨドリもいるし三個体ぐらいが眼に入ったが、それがヒヨドリとアオゲラの四個体とは
画像をモニターで確認して初めて解った。
上からヒヨドリ・アオゲラ♀・アオゲラ♂・アオゲラ♂

e0365355_22013227.jpg

 どうやら恋の季節に、三角関係なのかも。
しかし、雄同士で威嚇したり鳴きあったりすることはなく、静かにそれぞれに散っていった。
しばらく雌を見ていたが森に消えたので探すと、まだ雄は近くで採餌していた。
こッ!小枝が一本!
アオゲラの雄は、口元(顎線)の赤も雌に比べて広い。

e0365355_22013202.jpg

 樹液に蟻でも集まっているのだろうか?
ひとしきり食べては次の木に。
そこは洞のようなところ。
しばらくのぞき込んでは、また別に木に。

e0365355_22013311.jpg

 雄の消えた森の方を探すと、今度は雌がいた。
後頭部の赤がまるでベレー帽のようで、口元(顎線)の赤は細い。
アオゲラ♀

e0365355_22013332.jpg

 アオゲラは幹に穴を開け、木を枯らす穿孔虫(カミキリムシの幼虫など)をたべることから緑の守護者といわれる。
雌も一所懸命に食事のようだったが、この日は地上に降りて蟻を食べることはなく、もっぱら幹で採餌だった。
 人が来て、近くの木の幹に。
警戒して真横にぐるっと回って、日陰の部分に隠れた。
こちらからは丸見えなのだが、ISOを上げプラス補正して・・・・。
アオゲラ♀

e0365355_22012844.jpg

 雌が森に消えて、また探し廻ると雄に会えた。
両脚と尾羽でしっかりと三点確保して・・・。
アオゲラ♂

e0365355_22012929.jpg

 折れた枝のまたの部分をほじって・・・。 
結局この日は、木を突いて穴を掘って虫を捕まえるという場面はなく、せいぜい木の皮をはがして探すくらいだった。
アオゲラ♂
e0365355_22013022.jpg

 この日も外国からの観光客に、何がいるのかと聞かれた。
ファインダーで場所を教え、Japanese green woodpeckerというと大喜びしてくれた。
ひとしきり、幹の廻りを廻って採餌するアオゲラを堪能した。
もうしばらくしたら、ペアリングして鳴き交わしたり巣穴掘りが始まるんだろうな。
会いに行って会えた、うれしい日だった。
アオゲラ雄

e0365355_22013037.jpg

 


 

 




 









[PR]
# by photo-etudes-eiji | 2017-03-26 23:52 | 野鳥 | Comments(0)

 雨は花の父母として、この時期の雨を「催花雨」という。
ベランダからの富士山は霞んでだんだん見られなくなってきたが、一昨日ソメイヨシノが咲いた。
桜が咲けば、撮りに行きたいのは毎年定番の所。
ニュウナイスズメ ♂(Cinnamon Sparrow)
ちなみに英名のCinnamon Sparrow、肉桂色をしたスズメということか。

e0365355_18304454.jpg

 漢字では入内雀。
入(にゅう・にう)は黒子のことだそうで、普通の雀にある頬の黒斑が無いことからという。
ウィキにあった和名由来(左遷され没した貴族が転生してこの雀になり、宮中(廷)に入り納税された米を食い荒らした)の方もしっくりくる。

e0365355_18304463.jpg

 スズメと違って冬は暖地に下りてきて夏は高地で繁殖する。
桜の花の花柄部の蜜を吸うために、嘴を差し込んだり花柄ごとちぎってくわえてクルクルしたり。

e0365355_18304411.jpg

 桜の蜜はほのかに甘いが、レンゲツツジのように毒性のものも有るから気をつけなければ・・・。
河津桜が満開すぎて・・・トリミングばかり。
昨年の方が広く撮れた。

e0365355_18304392.jpg

 今回は雌の出がいまいちだったので、昨年の雌画像を。
ニュウナイスズメ ♀

e0365355_18304384.jpg

 もう一ヵ所は、サクラソウ。
子供の頃はまだ東京・荒川にも自生していたように思うが、何度も堤防護岸工事がおこなわれて消えていった。
自生地、といっても守られた?場所に咲き出し始めた。
何度見ても、サクラソウ類は花も葉も可愛らしい。
白馬に咲くハクサンコザクラや、岩木山のミチノクコザクラも可愛らしかったな~。
花言葉が『少年時代の希望』『初恋』『自然の美しさを失わない』『あこがれ』『純潔』。
ニホンサクラソウ(Japanese primrose)

e0365355_20300700.jpg

 アリスイがいるのは知っていたが、野焼きの黒いアシ畑では撮る気が起きなかったが・・・。
はびこったノウルシが繁り、サクラソウも何株か咲き出したので行ってみた。
アリスイ(Eurasian wryneck)雌雄同色。

e0365355_20300751.jpg
 
 キツツキ科の鳥なのだが、生態はずいぶん違う。
アカゲラなどが冬場の採餌で地表面に下りて歩いているのは見るが、アリスイはそれがメイン。
長い赤い舌を伸ばしては、アリを絡め取っている。

e0365355_20300798.jpg
 ノウルシの近くに来た。
真剣なまなざしはチョット恐めだ。
声も、僕の嫌いな○○のように「シューシュー」と鳴いたりする。

e0365355_20300670.jpg

 でも、人が通ったり猛禽が飛んだりすると木の枝に隠れる。
そんな時の顔は奥眼な感じで少しかわいい。

e0365355_20300641.jpg

 ひとしきり眺めていると、やっとアマナの花の近くに来てくれた。
サクラソウならもっとイイのだけれど・・・、そうは問屋が卸してくれなかった。

e0365355_20300880.jpg

 口直し?に、岩木山に自生するミチノクコザクラを一枚。
この花に会いたくて、お手軽コースで登ったのはもう三年前になるのか~~。
ミチノクコザクラ
e0365355_21545826.jpg

 







 

 



[PR]
# by photo-etudes-eiji | 2017-03-23 22:07 | 野鳥 | Comments(0)

 穏やかな風・・・何より青空がうれしい。
ヒバリが急上昇して、青空高く歌う。
「揚げ雲雀」は春の季語、でも僕には春の歌。
 ♪ ひばりのこ すずめのこ 飛びながら何を見た ホーヨホヨヨ 
    ホーヨホヨヨ 春が呼んでるよ ♪
 「作詞:小林幹治 ポーランド民謡 」というこの歌は、昼休みの校庭で何度か合唱した。
ヒバリがどんな鳥かもよく知らず、S 先生の指揮に会わせて・・・。
ヒバリ (Eurasian Skyiark)

e0365355_19471261.jpg

 ♪あの土手に 寝転んで  お弁当 食べたいな ホーヨホヨヨ ホーヨホヨヨ 春はすてきだよ ♪
卒業の頃、クラスのみんなで川間の江戸川河川敷にハイキングに行った。
ヒバリが空高く歌っていた時期だったが・・・その頃そこに興味は全くなかった。
もの悲しげな旋律と歌詞が心に響く。

e0365355_19470739.jpg

 河川敷といえば、渡良瀬では野焼きが終わった頃か。
コミミズクが飛び交っていた土手のセイヨウカラシナは、満開だろう。
コミミズク(short-eared owl

e0365355_19472843.jpg


 ♪もぐらのこ かえるのこ 動き出せ 目を覚ませ ホーヨホヨヨ ホーヨホヨヨ 春がよんでるよ ♪
コミミズクにこう歌われたら・・・モグラたちも困るだろうな(^^;)

e0365355_19472815.jpg

 ♪ほがらかに 歌う空 若草も 声合わせ ホーヨホヨヨ ホーヨホヨヨ 春の歌声よ♪
谷津干潟の一角に、ツクシが芽を出していた。
春になれば一枚は撮りたくなる被写体だが、ツクシ=スギナは「春の使者」ではあっても農家には難防除雑草。

e0365355_19473664.jpg

 ミモザも満開で陽に輝いていた。
南仏ではミモザ祭りなんてあったような。

e0365355_19472768.jpg
 
 あぁ、春の色!春の香り!

e0365355_19472709.jpg
 

 元はポーランドの民謡といわれるが、恋人を思って歌った唄のようだ。
https://www.youtube.com/watch?v=5mP8g-nnAUA
遠い街の光景をまぶたに描く。
 「千葉市 三陽メディア・フラワー・ミュージアム(旧花の美術館)」の作品から

e0365355_19472730.jpg

 ♪ホーヨホヨヨ 春が呼んでるよ♪  
卒園式を終えた娘が、たくさんの花束を抱えて帰ってきた。

e0365355_19473544.jpg
 
 日本語でならこれかな?
https://www.youtube.com/watch?v=i-0MTQYDC6A
「みんなのうた」ではないようだけれど。
e0365355_19473555.jpg
 
 
 





[PR]
# by photo-etudes-eiji | 2017-03-18 22:11 | 音楽 | Comments(4)

 レンジャクとの出会いは、思い出深いものが多い。
2013年、大エノキに来るレンジャクの群れを撮っていたときのことは忘れられない。
市街地の電線とエノキの天辺を往復する群れを見ていると、とある民家に下りてゆく。
そこには柿の木とサンシュユの庭木が。
掃除をしていたおばぁちゃんにわけを話すと、縁側で撮らせてくれた。
 凍て柿を食べるキレンジャク(Bohemian Waxwing)

e0365355_19300638.jpg

 いろいろと話しながら、お茶までいただき・・・。
庭のサンシュユの真っ赤な実を食べに来る、ヒレンジャク・キレンジャクをたくさん撮らせていただいた。
後日、写真を送ったら、丁寧なお礼状を息子さんからいただいた。
 サンシュユの実を食べるキレンジャク

e0365355_19300726.jpg
 サンシュユの実をそれとしてじっくり見たのは初めてだったし、その実をレンジャクが食べるというのも初めて見た。
うれしい出会いだった。
サンシュユの実をくわえたキレンジャク

e0365355_19300747.jpg

 雪深い山国での出会いも忘れられない。
一日探し廻ってワンチャンスだけで、そろそろ帰路につかねばならない頃。
やっと見つけた群れは、150センチもある路肩の雪壁の向こう。
その雪壁の上に500mmレンズを置いて、カンボクに群がるヒレンジャクを撮った。
ヒレンジャク(Japanese Waxwing) 

e0365355_19300897.jpg

 ヒレンジャクがJapanese な鳥だったと知ったのは、ご一緒したIさんの指摘から。
図鑑を見ても、よく読んではいない底の浅さ・・・。
早朝の時間帯なら、まだカンボクの実に雪も残っていたのに・・・という残念さはあったが・・・。
それでも起死回生!一発逆転の探し当てたうれしさはたまらないものだった。
ヒレンジャク(Japanese Waxwing) 

e0365355_19300784.jpg

 冬の山に、イスカを探しに行ったときのことも忘れられない。
待てど探せどイスカの声は無くホトホト疲れて見上げた空に、ホザキヤドリギの実が鮮やかに輝く。
こんな所にレンジャクでも来ないかな?と愚痴のように絵空事を思っていた。
それが現実になった!
ヒレンジャクだ!
10羽ほどの群れが一時盛んについばんでは、西の空に消えていった。

e0365355_19300623.jpg

 この年はレンジャクの大当たりの年だった。
夏の間に探しておいたヤドリギ街道。
その多くに、北から南まで飛来していた。
東信の公園では、雪の下で貯蔵?されたサンシュユの実に群がっていた。
ヒレンジャクの群れにキレンジャクが! 


e0365355_19300910.jpg



 物陰に隠れて?じっくり待つと近くまで寄ってきて!
キレンジャクは、次列風切羽の先端部に赤い蝋状の突起物があるのが特徴。
しっかりと見せてくれた。
キレンジャク(Bohemian Waxwing)

e0365355_19300861.jpg

 自然の中での鳥撮りでは、予定通りに行くことはまずない。
探し出すまでが大変で、餌付けやヤラセはしないからいいようには撮らせてくれない。
それが2015年はどこへ行っても出会え、いろいろなシーンで撮れた。
ホザキヤドリギはもっとも寒冷地に適応したヤドリギで、関東の市街地近郊では眼にできない。
群がりすぎてどれを撮ったら良いのか困った。
ヒレンジャク(Japanese Waxwing

e0365355_19300505.jpg

 枝垂れた穂の先でと思うが、レンジャクにも都合がある。
幸せそうな顔が、四苦八苦して撮っているこちらを笑顔にしてくれた。
ヒレンジャク(Japanese Waxwing

e0365355_19300645.jpg

 今年もまだ最後のチャンスはあるかもしれない。
良い出会いがあれば良いなぁ!









[PR]
# by photo-etudes-eiji | 2017-03-15 21:24 | 野鳥 | Comments(0)