天辺コマドリ

 コマドリはかわいい。
その色もその声も、素晴らしいと思う。
笹藪の中でさえずるコマドリを、見つけることができなかった頃。
声を頼りに登山道を上ったり下りたりしては、結局木々の隙間のソングポストでしか撮れなかった頃。
飛来当初の、雪の渓流沿いで撮れたときの喜び。
今までのいろいろな出会いと、出会えなかったときの疲労感までが浮かんでくる。
標高を上げて、峠にコマドリを探しに行った。
朝霧が山を隠し、渓谷を覆う。
その朝霧の中から、♪ヒンカララ~~♪とコマドリの声がする。
 コマドリ(駒鳥 学名 Erithacus akahige 英名Japanese robin)

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 このところ不作だったオオシラビソの実がそこそこなっている天辺に、コマドリがいた。
あたりにはルリビタキやウグイスの声も響き、近くでも別個体のコマドリがさえずっている。
問題は、霧だった。
なかなかとれない!
雰囲気は十分でも絵にならない!
風が来て少し流れて・・・少しだけ色が出た。

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 しかし、なかなか青空が出ない。
コマドリは朝のなわばり宣言で、良く鳴いてくれるのに!

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 近くで鳴いていた別個体が、枯れ木の天辺に来た。
バックの山をいれたくても、これ以上は低く構えられない。

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 あれこれ構え直しているうちに、逆光側に行ってしまった。
なんとか隙間からでもと歩くと、ここだけというワンポイントの隙間があった。
しかし、さえずる姿は全て向こう向きのお尻だけ。
ウ~~ンと困っていると、少し振り向いてくれた。
これがまたかわいい!胸きゅんだ!

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 三脚をたたんで谷にさして、もう少し被らない位置で待つとトンボが飛んできた。
サンコウチョウならパクッといくところだが・・・さえずりに忙しいようで・・・。

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 別の、この個体には散々苦労させられた。
とにかくよく鳴いてくれるのだが、どこにいるのかまったく見つけられない。
もう諦めかかったとき、この枝に!

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 なんて幸運なのだろうか!
出てきてくれただけでもありがたいのに、さえずってもくれた!
散々苦労させられたあとだったので、うれしさは倍増した。

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 その上におまけまで。
なんと四メートルほどの近さの、暗い樹林の中で毛繕いしていた。
大音量の♪ヒンカララ~~~♪
 あぁ、ホントウにコマドリはかわいい!

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# by photo-etudes-eiji | 2017-07-21 22:36 | 野鳥 | Comments(4)

 ヤイロチョウは、早朝からせっせと巣材を運び巣作りに精を出していた。
時折、枝に二羽で止まったり倒木の上に同時に出たり・・・。
 ヤイロチョウ(八色鳥 学名 Pitta nympha 英名 Fairy pitta)

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 そんな午後のこと、それまでは巣材を探せば巣へと運んでいた動きにチョットした変化を感じた。
ホッピングしたヤイロチョウの目線の先を見ると、もう一羽がいた。

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 もう一羽の方に近づいたかと思ったら、近づかれた方がお尻を上げて・・・・。

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 横に近づいたと思ったら・・・・。
突然に赤い腰の上に赤い腰がのって、倒木の向こうに沈んだ。 

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 それから10秒ほどの間は上にのった個体の頭頂部が、緑の葉の向こうで見え隠れ小刻みに震えるだけだった。
ミソサザイのように求愛ダンスを踊ったり、コマドリのように周辺を飛んではさえずりを繰り返したりといった風ではなく、静かなものだった。
このポイントで撮影していたのは僕ひとりだったので、しばらくたってから、別ポイントにいた方に「おかしな動きがありましたね」と確認すると、「交尾があった」とのことだった。
倒木の向こうの葉陰で、確実な証拠写真とはいかなかったが幸運だった。
 交尾後一羽が倒木の上に出てきた。

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 雌雄の区別が・・・僕には難しい。
もちろん上にのったのは雄だが・・・・この倒木にのったのは・・・雄のような気もするし・・・。
背後の個体と比べると体が締まっているように思えるが・・・。

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 後にいた個体が、倒木の下から前に出てきた。

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 二度目に森を訪れた二日後、ヤイロチョウ雛は近づいてきたヘビを避けて一斉に巣立ったそうだ。
3羽だと思っていたら、4羽が飛び出したという。
今頃は自由に森を飛び歩き、自分でも餌を探しているだろう。
そんな中での、飛んでいる姿もとりたいと思うが・・・。
この程度でも撮れただけで十分。

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 今回ヤイロチョウをじっくり観察できたのは、ひとえにYさんとHさんのおかげ。
ありがとうございました!













 










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# by photo-etudes-eiji | 2017-07-17 21:42 | 野鳥 | Comments(0)

 今回観察できたヤイロチョウの巣は、コマドリやオオルリの巣と似て斜面の木の根元の根張り部分のシダの根張りの下の窪みにあった。・
その窪み部分にたくさんの小枝を引き詰め積み上げ・・・。
 ヤイロチョウ(八色鳥 学名 Pitta nympha 英名 Fairy pitta)

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 巣作りは雌雄共同でおこなっていたが、受けた印象では内装は雌が仕切っているように思えた。
雄が外で枯れ葉を咥え中にいる雌に渡す、そう思える場面が視られた。

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 巣材の枯れ葉の役目を最初は産座?と思っていたが、小枝と小枝の間に挟み壁用にあるいは天井用のいわば断熱材や防水シートといった感じで使っていた。
もちろん完成間近では、床材や敷物に使っているようでも有り、入り口のカモフラージュ用にもしていた。
できるだけ乾燥したきれいな枯れ葉を集めたいのか、枝ごと折って運ぼうと嘴でくわえて左右に首を曲げては折ろうとしていた。

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 巣材を運ぶルートには、しばらく眺めていると数ポイントがあってそこに止まって周囲の変化や安全を確認していた。

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 ホッピングで地上を移動しては、枯れ枝を探す。

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 枝止まりや倒木の上に出たときなど、雌雄判別の素材になるような・・・と心がけたが、なかなか思うようにはいかなかった。

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 時たま一休みして毛繕いをしたり、頭掻きをしてくれた。

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 巣材あつめの途中でも、ミミズを見つけてはジャンプして食いつきグイグイと引っ張って飲み込んでいた。
腰から下尾筒の、赤のグラデーションがとてもきれいだった。

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 苔も、枝運び・枯れ葉運びの合間によく運んでいた。
これは巣の隙間を埋める役目をさせるのだろう。

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 巣作りは、この後2日ほど続いたようだが、この日は交尾と思える瞬間もあった。
それはまた、あとで。
 ヤイロチョウ(八色鳥 学名 Pitta nympha 英名 Fairy pitta) 
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# by photo-etudes-eiji | 2017-07-16 19:09 | 野鳥 | Comments(0)

 「大変なことが起きた!ヤイロチョウの巣を見つけてしまった!」
午後の一報を受けた鳥友とヤイロチョウに会いに行ったのは、もう一月も前のことだった。
翌日の習志野高校吹奏楽部定期演奏会のチケットが、無駄になってしまうなどということは頭から消えてしまって、深夜の高速を走った。
現地では、発見者のYさんが親切丁寧にポイントを説明してくれて、なんの苦労もなくヤイロチョウを撮れてしまった。
  ヤイロチョウ(八色鳥 学名 Pitta nympha 英名 Fairy pitta)

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 ヤイロチョウは学名 Pitta nympha。
Pittaはインド南部の言葉で小鳥、nymphaはギリシャ神話などに出てくる下級女神=精霊。
英名Fairy では妖精。
頭頂部の黒から茶色・クリーム色・白・赤・肌色・コバルトブルーに緑青色で八色と数えもできるが、ここはやはり八=たくさんの色ということだろう。
日本には夏鳥として中国南部やボルネオなどからやってきて、9/10月には帰って行く。

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 ヤイロチョウは盛んに巣材を運んでいた。
それは落ちた小枝を中心に、産座用の枯れ葉や苔だった。
台湾や高知での巣に比べて、作り方が雑な感じを受けたがそれは巣材の違いもあるのかもしれない。
それでもドーム型にだんだんなっていった。

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 ヤイロチョウの尾羽は短い。
学名か、Pitta brachyuraとも表記されているが、ブラキウラとは尾が短いということだそう。

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 ヤイロチョウの脚は、長くしっかりとしている。
その生態を調べた論文によれば、育雛期のつがいの行動は地上0mで55%・0~2mで40%をしめるという。
二脚をそろえて立ち幅跳びのようにピョンピョンと跳んでは、巣材を集めていた。

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 梢に止まって何度も鳴いてくれるのも期待していたが、その時期は過ぎたようだった。
巣作り2日目か3日目のこの日も、鳴き声が聞こえたのは朝一と午後の三度ほど。
ピッフィーピッフィーと2音続けて大きな声で鳴くのは、飛来当初の2週間くらいで、ヤイロチョウは営巣期にはあまり鳴かない。
数少なかったその鳴き声を動画にいれることができたのは、うれしいことだった。

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 「あの枯れ葉は良い敷物になる」とでも考えているのか?
このあと、左の枯れ葉を根元から折っては切り離して巣に運んでいった。

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 一月ほどたって再び行った現地は、巣穴から雛が三羽顔を出していた。
黒い羽毛に白い眉斑が出て、餌をねだる嘴もしっかりとしていた。
心なしか頭頂部に茶色味を感じたが、それは錯覚だろう。
巣立って数日もすれば、親鳥のような色になるようだが。

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 給餌は見た限りでは順番に、必ず三羽におこなっていた。
大きく開けたそれぞれの嘴の中を確かめるように時間をおいてから、一羽ずつ口の中に押し込んでいた。
雛はまだ、一気に飲み込むことはできないのか、喉の蠕動運動で胃に送るかのような印象を受けた。
しかしその食欲は旺盛で、確か高知県での調査では一日に1羽が80匹のミミズを食べたそうだ。

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 親鳥はせっせと餌を運ぶ。
それはほぼミミズのようで、まれにムカデがまじっていた。
何匹ものミミズを咥え、さらに新しい獲物を見つけたときなどは一端咥えた獲物を地上に並べ新しい獲物とそろえて咥え直すそうだ。
巣での給餌では脇にミミズを置いて、ひとつずつ咥えて雛に与えてもいた。
枝止まりの瞬間に、一匹を枝に落とし咥え直す光景も見られた。

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 飛翔時の翼の白斑にはビックリさせられた。
ヤツガシラのようでも有り、ブッポウソウのようでも有り・・・。
この飛んだときにだけ見える白斑も、地上にいる相方に自分を認識させる目当てになっているのだろうか?

普通尾羽は空中での舵取りやブレーキングなどの重要な役割を持っているが、地上生活の比率が高いヤイロチョウでは長い尾羽は邪魔になるのだろう。
この枝へのブレーキングでは、尾羽はそう開いた感じがしないのも特徴的なのかもしれない。

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 そして給餌が済むと親鳥は巣穴に頭を突っ込み、雛一羽から糞を咥えとって巣外に運び去っていく。
サンコウチョウなどと同じように、臭いからヘビやイタチなどの天敵に雛の存在を悟られないようにするためだろう。
数少ないチャンスに、飛翔の場面を撮ることができた。

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 ヤイロチョウは、推定で日本には100羽から150羽(環境省2002年)という絶滅危惧種。
そのヤイロチョウがなんとか抱卵~育雛を経て、7月13日午前10時頃無事に4羽とも巣だったと連絡が入った。
今回、YさんとHさんのおかげで貴重な体験をさせていただいた。
 巣の雛に給餌に入るヤイロチョウ。
雛が嘴を広げて待っている。

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 とりわけYさん始め多くの方が、ヤイロチョウが無事に巣立つよう現場カメラマンの整理や駐車場対策・密猟対策など多大な苦労をされていた。
無事に巣立って、ホントウによかった!
ヤイロチョウにはおめでとう!
皆さんにはご苦労様でした!ありがとうございました!









 








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# by photo-etudes-eiji | 2017-07-14 19:23 | 野鳥 | Comments(4)

 ゼフィルスと呼ばれる樹上性のシジミチョウの一群がいる。
日本産ゼフィルスは25種で、ミドリシジミはその代表格だろう。
図鑑を見て、是非撮ってみたいと思ったキマダラルリツバメのポイントでは、うまくすればチョウセンアカシジミなども撮れるかもしれないと期待して行った。
すでに発生してずいぶんたっていたので、新鮮な個体は無理かと思っていたが幸運なことに出会えた。
 チョウセンアカシジミ (朝鮮赤小灰蝶)

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 銀白色に囲まれた橙赤色の斑が美しい、新鮮な個体だ。
チョウセンアカシジミは、アムール川流域、中国大陸北東部、朝鮮半島および日本列島の一部で、日本海を取り巻く地域に生息しているそうだ。
日本列島が大陸と陸続きであった時代、そんなこと証明する一つともいえるらしい。

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 その一方、江戸時代に朝鮮から定着したなどという説もあり、門外漢にはよくわからないが・・・。
いずれにしても、チョウセンアカシジミは生息域が限られた絶滅危惧II類。
なかなか表翅をひらいてくれなかった・
待ちに待ってやっとこの程度に。

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 しかし、別個体だが産卵シーンを見せてくれた。
 チョウセンアカシジミ (朝鮮赤小灰蝶)

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 チョウセンアカシジミは、トネリコを食樹とするとあった。
トネリコ?聞き覚えのある樹名。
一昔前の東京でも、水田のかたわらに並木のように植えられ、秋にはそこに竹を組み稲を干した「ハサギ」。
その木のことだった。
この地への道すがら、そんなハサギの光景をたくさん見た。
その木の傍らで、煙草を吸っていた祖父やお煎餅を割ってくれた祖母のことなどが懐かしく思い出された。

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 「トネリコを食樹とするシジミチョウには、ウラキンシジミもいるから期待したい。」とチョウの先輩が言っていた。
そんなにうまくいくかな?と思っていたが!
「ウラキンがいる」という蝶屋さんの言葉に行ってみると???チョウアカじゃない?
イヤ!銀白色がない!
ウラキンシジミに間違いなかった。
 ウラキンシジミ(裏金小灰蝶)

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 チョウアカもウラキンもゼフィルス。
ミドリシジミがハンノキの谷地田などに発生すると、蝶のブログにゼフィルス・ゼフなどの言葉があふれる。
初めはなじみ薄かったが、ギリシャ神話やローマ神話の西風の神・『ビーナスの誕生』に出てくる花と春の女神フローラを抱いた男神などということで納得していたが・・・。
地中海性気候のギリシャやローマと緯度の低い温帯で高温多湿の日本とでは、どうも時季があわない違和感がのこる。

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 そうは言っても、「棚からぼた餅」「猫に小判」状態でも、なかなかに綺麗な彩りの美しいシジミチョウだった。
 
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 汗をふきふき、一時楽しませてもらった。
   ウラキンシジミ(裏金小灰蝶)

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 ウラキンシジミは僕の住む地域では滅多に見られないシジミチョウだが、ゼフィルスではないウラギンシジミはよく目にする。
ウラギンシジミは年に三回ほど発生し、近くの公園では何日もまったく動かず越冬する個体もいる。
こちらは先日、サンコウチョウの撮影地で撮ったウラギンシジミ。
ウラキンもウラギンも、金といい銀と言うが・・・この点にも多少の違和感が・・・。
 ウラギンシジミ(裏銀小灰蝶)

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 まぁ、蝶屋さんじゃないからかな?






 











 








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# by photo-etudes-eiji | 2017-07-12 22:04 | | Comments(0)